書籍紹介:『躁うつでもなんとか生きてます。〜俳句と私が転がりながら歩むまで〜』
株式会社KADOKAWAより、2025年2月26日に発売される新しい書籍『躁うつでもなんとか生きてます。〜俳句と私が転がりながら歩むまで〜』は、双極性障害に苦しむ著者の高松霞さんの壮絶な実体験を、マンガとして描いた一冊です。原案を手がけた高松さんは、連句人として活動しながら、自らの経験を通じて躁うつ病についての理解を深めることに努めています。この作品では、俳句を交えながら、彼女の日々の思いを伝えています。
書籍の内容
本書は、高松さんが経験した弟の死や父親との確執、そして二度の死にかけた辛いエピソードを基にしています。それらの経験から、躁うつ病の波に翻弄されながらも生き延びてきた日々が、鮮烈な情景として描かれています。特に、「私は天才だ!」と叫ぶような躁状態と「死にたい」と感じるようなうつ状態の波が、どのように彼女の生活に影響を与えてきたのか、そのリアルな描写が心に響きます。
俳句との深い関わり
高松さんは、彼女にとっての心の拠り所である俳句を作品に取り入れることで、感情の起伏を表現しています。苦しい時期も、俳句が見出す一瞬の美しさや、心の灼熱感を忘れさせてくれたことで、彼女は何とか生き延びてこられました。作品中で描かれる俳句は、彼女の心情に寄り添い、様々な場面で重要な役割を果たしています。
目次の紹介
本書は、全11話から構成されており、各話が高松さんの実体験とそれに寄り添う俳句を交えながら展開されます。目次を見てみると、題名からもそれぞれのエピソードの重さや、彼女が耐えてきた苦悩が想像できることでしょう。
- - 第1話…人間を絞れば
- - 第2話…地図なき島
- - 第3話…姉と名乗りぬ
- - 第4話…きょお!と喚いて
- - 第5話…ばらばらに知る
- - 第6話…超巨大落椿にて
- - 第7話…私も入れて私たち
- - 第8話…紙をさはつたまま
- - 第9話…ぽぽのあたりが火事ですよ
- - 第10話…日の窓の
- - 第11話…ひとつを吹いて
- - 賞うつ病と仕事のこと(対談)
著者について
原案を手がけた高松霞さんは、双極性障害の当事者として、自らの経験をもとに支援活動を行っています。また、漫画を通じて同じような境遇にある人々へのメッセージを届け始めました。マンガの作画を担当する桜田洋さんは、家族との日常を描く作品をSNSで公開しており、その独自の視点もまた本書に色を添えています。
監修と対談の専門家
本書では精神医療の専門家、益田裕介医師が監修を担当し、精神的な病についての正しい理解を促す内容となっています。また、松浦秀俊さんとの対談も収録されており、双極性障害に関する様々な情報が発信されています。
結論
『躁うつでもなんとか生きてます。〜俳句と私が転がりながら歩むまで〜』は、躁うつ病に関心のある方々のみならず、人生の苦難を乗り越えようとするすべての人に読んでいただきたい一冊です。彼女のストーリーと俳句が織り成す美しい言葉は、心に残ることでしょう。ぜひ、手に取ってこの作品の深いメッセージを感じてみてください。