冒険小説やハードボイルド作品で名高い志水辰夫氏の最新作、『新蔵 月に吼える』が、11月18日(火)に徳間書店から発売することが決定しました。本作は、志水氏による書下ろしの時代小説で、早くも注目を集めています。
新作の概要は、新蔵という主人公が、山中で出会う十歳の少女ゆふを護衛し、彼女を宇佐神宮へと送り届けるというストーリーです。ゆふは罠にかけた兎を巧みにさばくなど、ただの少女ではなく、神秘的な力を秘めた比売巫女(ひめみこ)の能力を持っていることが次第に明らかになります。その旅路には、次々と襲いかかる謎の集団が待ち構えており、新蔵の存在意義が問われる場面が展開されるのです。
また、著者の志水辰夫氏は、「今回は控えめに展開し、新しい境地に挑戦した」と語っており、今まで以上に新蔵への愛着が込められた作品になっていると期待が高まります。志水氏のファンにとって、新作を手に取ることは特別な経験になるでしょう。
著者紹介として、志水辰夫氏の経歴が触れられています。1936年に高知県で生まれた氏は、1981年に『飢えて狼』で作家デビューを果たして以来、精力的に作品を発表し多くの賞を受賞してきました。特に1991年には『行きずりの街』で日本冒険小説協会大賞を受賞し、その後も数々の代表作を生み出しています。齢86にして、19年ぶりの現代小説『負けくらべ』が話題となったばかりで、今回の作品も多くの期待を集めていることは間違いありません。
本作の装画は卯月みゆき氏が手がけており、イラストからも作品の魅力が伝わります。定価は2,200円(税込)、判型は四六判並製で、320ページという読み応えのある仕様です。また、第2章までの約47ページが特別公開されているので、興味がある方はぜひ回を進めて、物語の世界に入り込んでみてください。
さらに、シリーズ前作『疾れ、新蔵』も併せて紹介されています。この作品では、国許の越後まで十歳の姫を無事に送り届けるための手に汗握る冒険が描かれており、『新蔵 月に吼える』の読む前に過去作品を振り返ることも一興です。
いよいよ発表される志水辰夫の新たな作品、『新蔵 月に吼える』。その内容、展開、そして新境地に挑む著者の姿勢に、ぜひご期待ください。