藤元明緒監督の『LOST LAND』、ヴェネツィア国際映画祭に選出
特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)は、海外展開を視野に入れた日本映画の育成を目的とするプログラム「First Cut Lab Japan 2024」を実施しました。この中で、藤元明緒監督の長編映画『LOST LAND/ロストランド』が選出され、2024年12月に行われる編集コンサルテーションを経て、2025年の第82回ヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ・コンペティション部門でのワールドプレミア上映が決まりました。
『LOST LAND』の制作背景
藤元明緒監督は、大阪府出身の若手才能で、初の長編映画『僕の帰る場所』で高い評価を受けました。彼の作品は、在日ミャンマー人を背景にした物語や、ベトナム人技能実習生を描いたものなど、アジア各国の実情を丁寧に描くスタイルが特徴です。今回の『LOST LAND』も、そうした彼の関心を反映した作品で、ロヒンギャ民族の物語を基にしています。
映画のストーリーは、迫害を受け続けるロヒンギャ民族に焦点を当てており、ファンタジーと現実が交錯する過酷な旅路を子どもの視点から描いています。この作品は、文化の違いによる映画の解釈の幅を広げるため、多様なアドバイザーとのコンサルテーションを受けその成果を作品に活かしています。
プロデューサーのコメント
プロデューサーの渡邉一孝氏は、アドバイザーからのフィードバックが非常に有益であったと述べています。各国の参加者がそれぞれの文化や視点を持ち寄ることで、作品に新しい光が当たることができたとのことです。「欧州の視点や映画祭ならではの評価を知ることができとても良かった」と語りました。
期待される上映の舞台
ヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ部門は、世界の若手映画製作者に焦点を当てるため、この部門での選出は監督にとって大きな名誉です。国際的な舞台での上映により、作品の認知度が高まり、藤元監督自身の映画製作への新たな挑戦が期待されます。
映画の制作チーム
『LOST LAND』の制作チームは、藤元監督をはじめ、撮影監督の北川喜雄氏、音響を担当する弥栄裕樹氏、音楽を手掛けるエルンスト・ライジハー氏と、実力派のクリエイターが揃っています。これにより、映画のクオリティーが更に向上していることでしょう。
今後の展開
作品は2026年春に劇場公開を予定しており、すでに多くの話題を集めています。国際映画祭での評価がその後の興行にどう影響するか、今後の動向に注目です。国際的な舞台で、藤元明緒監督の『LOST LAND』がどのような評価を受けるのか、興味を持って注視したいと思います。