マンシュタイン特別賞受賞
2025-11-18 13:11:42

大木毅著『天才作戦家マンシュタイン』が特別賞受賞!その意義とは?

2025年11月16日、第11回「猪木正道賞」の授賞式が開催され、大木毅著『天才作戦家マンシュタイン「ドイツ国防軍最高の頭脳」――その限界』が特別賞を受賞しました。この賞は、防衛学の発展に寄与したとして多大な功績を残した猪木正道氏を顕彰するものであり、その栄えある受賞に大木氏は深い感謝の意を表しました。

大木毅氏は、受賞の際に、「安全保障を考える上で、戦史や軍事史は必要不可欠な知識である」とし、自らの著作がその学びの一助となったことを誇りに思うと語りました。また、本書は『「砂漠の狐」ロンメル』や『戦車将軍グデ―リアン』と続くドイツ将帥伝の最終作であり、ドイツ国防軍に関連する最新の研究成果を広めることを目的としています。

『天才作戦家マンシュタイン』は、大戦を変えたマンシュタインの全貌を描く重要な評伝であり、彼の(特に第二次世界大戦における)戦略的卓越性とその影に潜む複雑な問題についても深く掘り下げています。彼は、「ドイツ国防軍最高の頭脳」と称された人物で、連合軍でも恐れられた作戦家です。彼の戦術はフランス降伏を早めた参謀時代から始まり、多くの戦場での成功を収めることになります。

たとえば、彼はソ連軍に対する見事な防御戦で知られ、その際には主力を殲滅する圧倒的な戦術を展開しました。マンシュタインの成功は戰略・作戦・戦術の全てにおいて彼を支えた資質であり、劣勢を逆転する力を示しました。しかし、それと同時に彼にはナチスの戦争犯罪への関与や、その犯罪を黙認していたのではないかとされる影もついて回ります。

本書では、クリミア戦での防衛戦の重要性や冬季の厳しい環境での戦術も詳論されています。マンシュタインを信じる兵士がいたことも紹介され、彼の存在がどれだけの影響を持っていたのかが伺えます。大木毅氏はこの作品から、将帥マンシュタインの全貌を学術的視点から描き出すことで、私たちが戦争というテーマに対する理解を深める助けになることを願っています。

大木氏は、著作活動を続けながら、防衛省や大学での講師としても経験を積んできた経歴を持つ現代史家です。彼の作品は戦争や軍事に関する知識を深めるうえで非常に重要な位置づけとなっています。マンシュタインに関する最新の研究成果を広めることを目的としたこの著書は、次代の歴史家や研究者たちにとっても貴重な資料となることでしょう。

急速に変わる現代の安全保障環境においても、戦史の知識はますます重要性を増しています。大木毅氏の『天才作戦家マンシュタイン』は、未来に生きる私たちに重要な教訓をもたらすだけでなく、戦争の歴史を知るための貴重な一冊となるでしょう。次回の授賞式での彼のさらなる活躍にも、大いに期待が寄せられます。


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