NEパワー・エレクトロニクス・アワード2025で最優秀賞が決定！

NEパワー・エレクトロニクス・アワード2025の受賞技術

2025年の「NEパワー・エレクトロニクス・アワード」の受賞技術が、株式会社日経BPの「日経エレクトロニクス」によって発表されました。このアワードは、日本の大学や研究機関の理工系研究室を対象に、パワー・エレクトロニクス分野において優れた業績を表彰するもので、2017年から開催されています。

最優秀賞の受賞技術

最優秀賞に輝いたのは、東京大学の高宮真教授の研究グループが開発した技術です。彼らは、パワー半導体用のアクティブゲートドライブが必要とされる機能を一つのICに集約することに成功しました。この技術により、スイッチング損失を49%も低減できることが示され、その革新性と実用性が高く評価されました。これにより、今後の電力管理やエネルギー効率の向上が期待されています。

特別賞と読者賞

審査員特別賞には、茨城大学の岩路善尚教授の研究グループが「モーター特性を運転中に取得し、高効率なトルク制御を可能にする技術」が選ばれました。この技術は、事前測定なしで実施可能であり、工業分野での応用が期待されます。また、読者賞には、東京理科大学の居村岳広准教授の研究グループが「走行中給電の待機電力を9割減少させる技術」が受賞しました。送電コイルの分圧変化を利用したこの技術は、電気自動車や関連機器にとって重要な進展です。

審査過程と基準

審査員たちは、パワー・エレクトロニクスシステムおよび要素技術に関連する過去5年間の成果を、「革新性」「実用性」「産業インパクト」という3つの観点から評価しました。審査委員長を務めるのは鉄道総合技術研究所の正田英介氏で、各技術選出委員には著名な教授陣が揃っています。彼らの専門性により、公正で厳密な審査が行われました。

贈賞式の詳細

受賞者への贈賞式は、2025年12月16日に東京で開催される「パワー・エレクトロニクス・サミット2025」にて行われます。このイベントは、同分野の研究者や業界関係者が集まり、最先端の情報を共有する貴重な機会です。参加登録は既に開始されており、技術者たちからの関心が寄せられています。

パワー・エレクトロニクスの重要性

パワー・エレクトロニクスとは、パワー半導体を用いて電力を制御し、その状態を変換する技術です。この技術はエアコンやスマートフォン、電気自動車、工場の運営、データセンターまで、多岐にわたる分野で利用されています。今後、エネルギー効率の向上が求められる中、パワー・エレクトロニクスの技術革新はますます重要になってきます。