新刊『WORKSIGHT』28号発表!山の寄り合いから考える新しい民主主義
2025年8月27日、黒鳥社から新刊『WORKSIGHT[ワークサイト]28号 山の寄り合い Yoriai On The Hill』が発売される。この号は、民主主義や資本主義を見直すためのヒントを日本の歴史や民俗に求めるもので、展開されるテーマやイベントは現代社会にとって非常に意義深い内容となっている。
特に注目すべきは、栃木県さくら市で開催された1泊2日の合宿である。民俗学者、文化人類学者、思想史学者、編集者、写真家など多彩な人々が集まり、「寄り合い」という概念を通じてこれからの議論や集い方を模索した。これは、民俗学者・宮本常一が書いた『忘れられた日本人』の「村の寄りあい」に由来し、古き良き日本の知恵を再発見する試みだ。
合宿の内容
合宿では、参加者が4つのセッションに分かれて、日本の歴史や文化に基づくアイデアを展開した。読書会、模合、鯰絵、干支/生年祝いの4つのテーマが設定され、それぞれ異なる専門家が講師として参加した。
1.
読書会 (Session 1): 前田勉氏が江戸時代の読書会の仕組みを語った。昔の人々がどのように集まり、意見を交わしたのか、その様子は近代とは異なるユニークな言論空間を形成していた。
2.
模合 (Session 2): 平野美佐氏が沖縄の模合制度について説明。模合がどのように人々を結び付け、金融と相互扶助の役割を担っているのかを考察した。
3.
鯰絵 (Session 3): 畑中章宏氏が日本の災害と民俗について語り、鯰絵が地震に対する人々の見方を示す象徴的な存在であることを解説した。
4.
干支/生年祝い (Session 4): 工藤沙希氏が古代から続く干支の概念について、個人と社会のつながりをいかに生かすか、またその文化行事に焦点を当てた。
特別編集号の背景
今号は特に、大阪・関西万博に参加しているオランダとのコラボレーションによって編集された特別な内容となっている。オランダが日本各地で実施している「オランダ文化プログラム」との共同作業として、文化の交流を図る重要な一歩といえる。
日本の歴史や文化に根ざした集まり方音、議論の仕方を再探索することで、我々は現代社会が抱える課題に新たな視点を持つことができるだろう。このような寄り合いやディスカッションを通じて、読者自身も自己の集まりやコミュニティ形成について考えるきっかけになることを期待している。
書籍情報
『WORKSIGHT[ワークサイト]28号 山の寄り合い Yoriai On The Hill』は、コクヨが掲げる「自律協働社会」への洞察をもとに、未来の社会像を探るためのコンテンツを提供している。誌面では、言論や文化的視点からの問題提起がなされ、参加者や講師の視点が融合した新たなアイデアが提案されている。
書籍情報は以下の通りだ。
- - 書名: 『WORKSIGHT[ワークサイト]28号 山の寄り合い Yoriai On The Hill』
- - 編集: WORKSIGHT編集部(コクヨのヨコク研究所+黒鳥社)
- - 発行日: 2025年8月26日
- - 定価: 1800円(税別)
- - ISBN: 978-4-7615-0935-4
この新刊を通じて、私たちの集まりかた、議論の仕方を見直すきっかけを掴んでみてはいかがだろうか。