ヤマハが「Pentawards 2025」で金賞を受賞
2025年、「Pentawards(ペントアワード)」の「BRAND IDENTITY & CONNECTED PACKAGING」部門で、ヤマハの管楽器エントリーモデルの梱包箱が栄光の金賞を受賞しました。これは、同社が約20年にわたって培ってきたブランド力と環境保護に向けた努力が認められた結果です。
「Pentawards」は、2007年にベルギーで始まった世界最大級のパッケージデザインコンペティションで、19年にわたり95カ国以上から36,000件を超える応募が寄せられています。ヤマハがこの競技会に参加したのは初めてで、受賞も今回が初めてです。また、一般投票で選ばれるPeople’s Choice Awardの最終候補にも名を連ねる栄誉を賜りました。
受賞に至るまでの道程
受賞作は、管楽器のエントリーモデルとして展開している5種類の楽器用パッケージです。具体的には、トランペット(YTR-2330)、フルート(YFL-212)、クラリネット(YCL-255)、アルトサクソフォン(YAS-280)、テナーサクソフォン(YTS-280)といったモデルが対象となっています。これらのパッケージは、2025年にデザインが刷新され、持続可能性と消費者との一体感を強調しています。
この新しい梱包デザインは、ただ商品を納めるだけではなく、その価値や魅力を消費者にしっかりと伝える役割を果たしています。デザインの過程では、楽器設計者とデザイナーが一丸となり、質感や内部構造にまで細部にこだわった結果が反映されています。
デザインの工夫とサステナビリティへの配慮
特に印象的なのは、外装のデザインです。梱包箱の4面には楽器が半透明のアクリルケースに収められているように描かれ、開封時の期待感が高まるように工夫されています。この瞬間は、消費者にとって初めての対面となるため、特に重視されています。
デザイン刷新の一環として、環境に優しい印刷方法に変更が施されています。従来のフルカラーオフセット印刷から水性インクを使ったフレキソ印刷に切り替えることで、揮発性有機化合物(VOC)の発生や廃水の排出を大幅に削減しました。また、再生紙の利用率も85%から100%に引き上げられました。
ヤマハ社のコメント
受賞に際し、楽器事業本部の坂本仁事業部長は、「この受賞は、我々のデザイン力や環境への配慮が評価された証で非常に光栄」と語っています。また、技術本部のデザイン研究所長、川田学氏も「社会の価値観が変化する中、今後も魅力的なデザインを追求していきたい」と意欲を示しました。
世界中から注目されている「Pentawards」での受賞は、ヤマハにとって新たなスタートを切る契機となることでしょう。今後も、持続可能な楽器デザインを追求し続けるヤマハの活動に期待が寄せられます。