峠の思い出を新たな魅力へ
広島県安芸高田市八千代町に存在していた「ラーメン霧切谷」は、数十年にわたり多くの人々の心と胃袋を温めてきた伝説のラーメン店です。惜しまれながらも閉店したこの店舗が、株式会社ホッツッ(本社:広島市、代表取締役:渡部 崇)によって「八千代きりちゃんラーメン」として再びその灯を灯します。彼らは「情景の承継」を目指し、このラーメン店の新たな始まりを響かせます。
「ラーメン霧切谷」その名の通り、霧深い谷から陽光が差し込む山上の台地へと導く古道に位置し、どこか懐かしく、心安らぐ場として親しまれていました。大きくはないものの、峠を通る人々にとっては欠かせない休憩スポットであり、豊富なメニューとボリューム感で訪れる人々に愛されていました。特に、広島市と安芸高田市を繋ぐ国道54号沿いに位置するこの店は、その特色ある地元の雰囲気を楽しむ場所でした。
再オープンを告げる「八千代きりちゃんラーメン」は、単なる店舗の再開にとどまらず、地域に根付いた温かい雰囲気や人々の思い出を未来へ繋ぐ「情景承継」の新たな挑戦です。このプロジェクトは、東京の「神田ちえちゃんラーメン」との結びつきが背景にあり、彼らは正式に「ちゃんのれん組合」へ加盟しました。
東京名物の味を広島で
一見、不思議にも思えるこの挑戦ですが、同組合の理念に共感し、厳しい競争の中で中華そば文化の発展を目指す姿勢が深く影響しています。渡部氏は広島から全国へ、そして全国から広島へと広がりを求め、「神田ちえちゃんラーメン」の味に感銘を受けたことが、彼らの新しい挑戦を引き起こしました。
「八千代きりちゃんラーメン」におけるメニューの核となるのは、定番の「中華そば」、そして「もり中華」と「白めし」です。濃厚で滋味溢れるスープ、ボリュームたっぷりのチャーシュー、そして新宿達磨製麺の特製麺の数々は、「ちゃん系ラーメン」で広がりを持つ魅力の一部です。この地ならではの新たな体験を提供し、地域密着型のラーメンを展開していく方針です。
店舗名には、長年にわたり地域を支えてきた人々への感謝の気持ちと、「霧切谷」の歴史を未来に繋げる強い思いが込められています。外観は大きく変更せず、地域の皆様に安心感を与え、この場所で再び笑顔に出会える日を心待ちにしています。渡部氏は、「情景承継」の理念を掲げ、店舗と客、風景を未来へと大切に繋いでいくことを約束しています。
地域の象徴として再誕生
「八千代きりちゃんラーメン」は、峠のラーメン屋としての役割を果たし、お腹を満たすだけではなく、訪れる人々に安らぎを与える存在であることを信じています。この新しいお店が地域に根付いた温かい思い出をもたらし、「八千代きりちゃんラーメン」として愛され続けることを目指しています。
再スタートに際して、安芸高田商工会の支援にも感謝し、地域の新しいランドマークとしての位置づけを確立していくつもりです。開業にあたり、2025年5月3日から5日まで「2025年ひろしまフラワーフェスティバル」のイベントにも出店予定で、ぜひその際に新しい味に触れていただきたいです。彼らは、広島の春の祭典で皆様のお越しを心よりお待ちしています。開業日や営業時間なども改めて発表されることでしょう。