DNP、オリジナルマンガとアニメの連携強化で新たな展開へ
大日本印刷株式会社(DNP)が、マンガコンテンツの創出において新たな戦略を打ち出しました。自社のタテヨミ型コミックアプリ「ホンコミ」や電子書籍ストア「honto」を活用し、知的財産(IP)の取り扱いの専門性に基づき、オリジナルマンガの制作・アニメ化を一貫して行う体制を強化しています。
マーケットイン型のオリジナルマンガ制作
DNPは、最近のトレンドや市場の嗜好を的確に捉えるために、ホンコミとhontoのユーザーデータを活用したマーケットイン型のオリジナルマンガを制作しています。この手法により、読者が求めるストーリーやキャラクターの特性を明確に把握し、ヒットする可能性の高い作品を生み出すことが可能になっています。
この新たな取り組みとして、DNPは、2025年10月7日から「陛下わたしを忘れてください」と題された新作を地上波と動画配信サービスで放送することを発表しました。この作品は、マンガ配信翌日に「LINEマンガ 総合ランキング」1位を獲得するなど、強い人気を誇っています。
「ライトアニメ」を活用してのスピーディーな展開
さらに、DNPが開発したアニメ制作手法「ライトアニメ」は、原作マンガの原画を効果的に利用し、制作にかかる時間とコストを大幅に削減します。これにより、マンガの連載と平行してアニメ放送を行えるという新たな道を切り開いています。この手法は、ウェブトゥーンの特性を活かし、作品が話題になるタイミングに合わせて迅速にアニメ化を進め、一早くファンを獲得することを可能にしています。
未来への展望
このようにDNPは、オリジナルコンテンツの創出からその展開まで、トータルで行うことで、さまざまなメディアにおいて一貫した作品体験を提供し、ファンの満足度を高めています。2025年度には18作品の配信を目指し、今後の成長を見据えています。また、2029年度までに累計で10億円の売上を目指すという目標も掲げています。
DNPの新しい試みは、エンターテイメント業界における価値の再定義を促し、多様なコンテンツを気軽に楽しめる環境の構築を目指しています。今後どのようにこの戦略が展開されていくのか、ますます注目が集まります。