伊藤忠商事の成長を支える商人道の秘密を探る新書が話題に
昨年3月に出版された新書『伊藤忠商人の心得』が、業界内外で注目を集めています。この本は著者・野地秩嘉氏が伊藤忠商事のユニークな商人道を、歴代経営者の言葉を通じて詳細に解説したものです。本書は発売からまもなくして累計3万部を突破し、ロングセラーとして多くの読者に支持されています。
伊藤忠商事の急成長
現在、伊藤忠商事は商社業界のナンバーワン企業として名を馳せていますが、その地位はかつての「業界4位」からの急成長によるものです。この背景には、創業以来受け継がれてきた「商人の言葉」が重要な役割を果たしています。特に「三方よし」や「商人は水」などの格言は、同社の社員たちにも深く根付いています。
「朝型勤務」の導入
本書には、伊藤忠商事の施策の中でも特にユニークな「朝型勤務」の例が紹介されています。残業が原則禁止の同社では、時間外業務に関しては朝に行うことが推奨されています。この取り組みでは、朝の勤務時間に対して通常の1.5倍の給与が支給されるため、2時間の作業で3時間分の給料を受け取ることが可能です。
さらに、午前8時前に出社した社員には、ファミリーマートが提供する無料のおにぎりやサンドイッチ、飲み物を3個まで取りやすく、健康的な朝食をサポートします。このような施策はコストがかかるものの、最終的には経費が減少し、業績の向上に寄与しています。実際に、ダラダラとした残業をなくし、夜間の光熱費を抑える効果もあり、企業として非常にメリットが大きいことがわかります。
経営者の姿勢
伊藤忠商事の岡藤正広CEOは、早朝5時半の出社を実践し、昼食はファミリーマートの弁当をわずか15分で済ませ、午後3時には一度帰宅するという生活を送っています。これによって、業務の効率化が図られ、経営陣にも「働き方改革」が根付いていることがうかがえます。
企業文化の革新
本書では、ノンフィクションライターの野地氏が、長期間にわたって伊藤忠商事に密着し、経営陣との対話を重ねて得た貴重な情報が盛り込まれています。特に岡藤CEOについては、今年1月の日経新聞での「私の履歴書」を超える詳細なエピソードが綴られています。これによって、伊藤忠商事の企業文化や経営哲学についての理解が深まります。
成長を牽引する商人道
「人格者を重用しない」との言葉のもと、伊藤忠商事は自身の商人道を貫いています。商業の本質を見極め、確実に成長を遂げた同社のビジョンや戦略について、ぜひ本書で確認してみてください。いま、成長企業の秘密が明かされる貴重な一冊となっています。
書籍情報
- - 書籍名: 伊藤忠商人の心得
- - 著者名: 野地秩嘉
- - 出版日: 2025年3月17日
- - 定価: 946円(税込)
- - ISBN: 978-4-10-611082-5
- - 新潮社の公式サイトで確認
ぜひ、伊藤忠商事の成長を支える商人道を学ぶための一読をおすすめします。