チケット不正転売に関する実態調査について
2023年10月、株式会社チケットプラスが全国のライブやイベントのチケット購入経験者1,200人を対象に行った「チケット不正転売に関する実態調査」が注目を集めています。この調査は、若者を中心に広がる不正転売の実態を明らかにするもので、特に10代・20代の反応が顕著に見られました。
調査結果の主なポイント
1. 転売チケットへの接触状況
調査によると、全体の約3人に1人が不正転売されたチケットに接触した経験があると答えました。特に20代では、この数字が約50%に達しました。転売チケットの購入経路は、50%以上が「個人間取引仲介サイト」と判明し、誰もが簡単に取引に参加できる環境がこの現象を助長していることが明らかになりました。
この傾向は、単に転売業者が存在するだけでなく、一般の消費者が自らも転売行為に関与していることを示唆しています。全体の16.7%の人が自らチケットを転売した経験があることが、転売行為が日常的な行為として広がっている証拠です。
2. トラブル体験の深刻さ
約50%の人が転売チケットに関してトラブルを経験したと回答しており、問題が多様であることが明らかになりました。具体的には「定価だと思って購入したものが実は高額だった」や、「代金を支払った後に販売者と連絡が取れなくなった」といった声が寄せられています。
このような体験は特に購入者にとって大きな不利益を招くものであり、調査の結果は不正転売行為によるさまざまな問題の深刻さを物語っています。
3. 法律への理解度の低さ
2019年に施行されたチケット転売禁止法については、3人に1人がその存在を知らないという結果になりました。これは、チケットの不正取引に対する問題意識がまだ十分に浸透していないことを示しています。
また、法律の内容を理解している人が67.8%であった一方、法律の意義について理解していない人が18.3%いるという結果もあり、法的なアプローチによる解決策が求められることが浮き彫りになりました。
4. 転売行為への反発
調査の結果、73%の人が転売行為を容認できないと回答し、また64.9%が顔認証や公式リセールの導入に賛成であることがわかりました。これにより、多くの人々が「公正で安全な取引」を望んでいることが伺えます。
今後の展望
チケットの不正転売問題は依然として根深く、ファンの正当な体験を阻害する要因となっています。しかし、法律や仕組みに対する理解が進む中、公式なリセール機能や本人確認の厳格化を求める声が強まっており、業界は応じざるを得ない状況になっています。
チケットプラスは、今後も適正価格でのチケット取引が行われる環境を整備し、アーティストやイベント主催者に利益が還元されることを目指していく必要があります。この調査結果を受けて、リセールや取引の透明性向上が求められる中、ファンが安心して楽しめるライブエンタメ文化の確立に向けて、さらなる努力が期待されます。