個人投資家の選ずるAI半導体株
2026年4月から5月にかけて、『日経マネー』が実施した「個人投資家調査2026」の結果が公開され、個人投資家の間でAI・半導体株への関心が一層高まっていることが明らかになりました。また、「サナエノミクス」と呼ばれる国策関連銘柄への注目も見逃せない傾向が確認されました。
この調査は毎年春に行われ、7509人の有効回答を集め、今回は20回目を迎える大規模なものです。結果は『日経マネー2026年8月号』で特集として掲載され、個人投資家の実態を深く掘り下げています。
投資スタイルの変化
調査によると、最も多い投資スタイルは「高配当・優待狙いなどの利回り投資」で全体の約22%を占めています。次いで「大型株・優良株中心の王道投資」が20%と続き、前年とは順位が入れ替わる形になっています。このような動きの背景には、東京証券取引所が進める市場改革が挙げられます。
資本効率の改善や上場維持基準の厳格化により、企業は増配や株主優待の新設が進み、それが投資家に追い風となっています。特に、高配当株はインカム収入を望む投資家に人気で、これらの動きは今後の市場にも影響を与えるでしょう。
AI・半導体株の急成長
特に注目を集めるのはAI・半導体関連株の動きです。2025年末からは急激に価格が上昇し、調査期間の直前には約3倍の高騰を見せました。この間、日経平均株価の上昇率は1.4倍にとどまっており、その差はAI・半導体株の人気がいかに高いかを如実に物語っています。
さらに、調査では「政府が掲げる『戦略17分野』の中で注目しているテーマ」という質問に対し、54%の人が「AI・半導体」と回答しました。その他のテーマには防衛産業や資源・エネルギーの安全保障も挙げられていますが、やはりAI関連がダントツの人気を誇っています。
AIツールの活用
今回の調査では、AIを活用して銘柄選びや売買判断を行う投資家が全体の4割を超えていることも大きな特徴です。特に10代から20代ではその割合が67%に上り、若い世代の投資のスタイルとしてAI利用が定着し始めています。しかし、年齢が上がるにつれて利用率は減少し、50代以降では3割を切る結果に。これは、世代による技術への適応度の違いを反映していると考えられます。
NISAの利用状況
さらに、回答者の約91%が少額投資非課税制度(NISA)を利用しており、昨年から約3ポイントの増加が見られました。具体的には積立投資枠と成長投資枠を併用する投資家が多く、投資意欲の高まりが読み取れます。利用金額の平均はそれぞれ78.9万円と170.3万円で、前年よりも増加しています。これにより、NISAを通じた個人の投資行動が一層活発になることが期待されます。
まとめ
今回の調査結果は、個人投資家の投資スタイルや市場のトレンドを反映しており、特にAI・半導体に対する関心の高さが際立ちました。今後の市場動向にも注目が集まります。利用が進むNISA制度やAIの活用が、今後の投資環境をどのように変えていくのか、見逃せない要素となるでしょう。