ユーミンの原点が詰まったノンフィクション・ノベル
日本の音楽シーンで圧倒的な存在感を誇る女性ポップスター、松任谷由実。彼女の原点とも言える少女時代を描いた話題の小説『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』が、文庫版として再登場します。この作品は、著者・山内マリコが松任谷由実の成長と、彼女が生きた時代背景を細やかに描写したノンフィクション・ノベルです。
発売情報
文庫版は2025年11月6日(木)に、全国の書店やインターネット書店で発売されます。価格は990円(税込)で、432ページの読み応えのある内容となっています。外装のブックデザインは大島依提亜が手掛け、装画は羽鳥好美が担当しています。
この小説が発表された際、松任谷由実自身からは「山内さんの大いなる好奇心が、私自身もすっかり忘れていた愛を、思い出させてくれた」という感動的なコメントが寄せられており、作中には彼女の貴重なメッセージが色濃く反映されています。
物語の概要
本作は、八王子の裕福な呉服店に生まれた少女が、どのようにシンガーソングライターとしてデビューし、後に日本最大の女性ポップスターとなるのか、その成長過程を描いています。
物語は、松任谷由実が幼少期にピアノを学び、清元を通じて多様な音楽的経験を積む光景から始まります。彼女は、立教女学院での学びや友人との交流を通じて精神的な成長を遂げ、次第に自身の音楽スタイルを確立していきます。そして、1960年代の東京の文化の影響を受けながら、彼女のシンガーソングライターとしての才能が開花していく様が描かれています。
特に印象深いのは、山内マリコの取材力が引き出した松任谷由実の内面的な葛藤や、音楽への情熱、友情、家族との関係など、彼女の人間的な側面が鮮明に描かれていることです。多くの人が憧れるサクセスストーリーとは一線を画すリアルな物語が展開され、読者の共感を呼ぶことでしょう。
作者について
著者の山内マリコは、1980年に富山県で生まれ、2008年に受賞歴のある作家です。彼女のデビュー作『ここは退屈迎えに来て』から、映画化された『あのこは貴族』など、多数の作品を手がけています。彼女の作品は、時には厳しい現実を描きつつも、希望に満ちたメッセージが根底に流れています。
終わりに
『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』は、松任谷由実ファンだけでなく、音楽や文学に興味がある方にもぜひ手に取っていただきたい一冊です。彼女の原点を知ることで、彼女の音楽に対する理解が深まることでしょう。文庫版では酒井順子による解説も収録されるので、新たな発見があるかもしれません。この機会に、彼女の煌めく才能のルーツを探る旅に出かけてみませんか?