認知症世界を体験する新たな試み
累計20万部を超える大ヒット書籍『認知症世界の歩き方』が、体験型展示「認知症世界を歩いてみたら。展」として生まれ変わる。この企画は、特定非営利活動法人イシュープラスデザインが、ボーダレスファウンデーションと手を組み、認知症を持つ方々が直面する日常を理解するための新しい試みを提供することを目的としている。
認知症とは?
認知症は、脳の老化に伴い認知機能が衰えることによって日常生活に支障をきたす状態を指す。日本は超高齢化が進む中で、認知症を持つ人が増えており、誰にでも関係のあるテーマである一方、偏見や誤解から当事者との関わりが少ない。
この展示では、書籍を通じて描かれた当事者の視点を再構成し、怖れの対象ではなく「共生の課題」として認識する機会を提供する。
書籍『認知症世界の歩き方』とは
『認知症世界の歩き方』は、実際の当事者のインタビューから得た洞察をもとにした旅行記としてまとめられている。この本は、認知症の方々の内面的な葛藤や日々の感覚を描写しており、読むだけではなく、講演会やワークショップを通じて認知症に対する理解を深めることを目指している。
また、今後は映画化プロジェクトも進行中で、2027年春には公開予定とされている。
体験型展示の内容
「認知症世界を歩いてみたら。展」は、来場者を新たな旅へ誘う。参加者は、場面ごとにデザインされたエリアで記憶や認知、身体感覚の揺らぎを体験することになる。想像を絶する摩訶不思議なシーンの中で、どのようなハプニングに遭遇するのか、自らの五感を使って探求することが求められる。
連携と今後の展開
このプロジェクトは、地域社会における認知症に対する理解を深め、偏見を減らす狙いがある。イシュープラスデザインとボーダレスファウンデーションの連携は、各地の団体でも同様の展示を実施できる「ライセンスモデル」の構築を進めるなど、全国的な展開を目指している。
「認知症世界を歩いてみたら。展」は、2023年5月1日から7日まで神奈川県鎌倉市の鎌倉芸術館で開催される予定。これからの高齢化社会において、認知症を理解し共に生きる方法を見つけるための一歩となることを期待したい。
会場では、実際に展示を体験しながら、認知症に対する従来の見方を変えるきっかけを与えてくれる。訪れる人々がこの体験を通じて、自らの認知症観を見直し、将来の社会に向けて考える機会を得ることを願ってやまない。
このような活動を通じて、認知症を持つ方々が直面している現実を、より多くの人々に伝え、社会的な理解を深めることが重要です。未来の認知症ケアの在り方を、一緒に考え、共にサポートできる社会を築いていきたい。