櫻田智也『失われた貌』が早くも2冠達成、その魅力に迫る！

櫻田智也『失われた貌』、注目度急上昇中！

日本のミステリー界に新たな風を吹き込んだと評判の櫻田智也氏の新作小説『失われた貌』が、発売から間もなくして2冠を達成しました。まずは、2026年版「ミステリが読みたい！」国内篇で1位、そして「週刊文春ミステリーベスト10 2025」国内部門でも1位を獲得！そのタイトルの成績が物語るように、多くの読者を魅了しています。

大きな話題を呼んでいる理由の一つは、櫻田氏が巧みに張り巡らせた伏線と、最後に裏返る真相の驚きです。読者は物語の途中で待ち構える手がかりの数々によって、思わぬ真実へと導かれ、伏線回収の快感を味わうことができます。これは単なるエンターテインメントではなく、ミステリーを読んで感じる楽しさを深く追求した作品と言えるでしょう。

名作作家たちの絶賛

本書については、この分野で活躍する作家たちからも絶賛の声が寄せられています。例えば、伊坂幸太郎氏は「『失われた貌』を読むのが本当に楽しみでした」と言い、主人公の日野の内面への深い理解と共感を表現しました。彼の言葉には、物語に引き込まれ、思わず主人公の葛藤に心を寄せた作者への敬意が込められています。

一方、恩田陸氏は「捜査と謎解きのハイブリッド」とし、その集約された要素が全て一つに収束していく様子に驚きの感情を表しました。彼の評価は、本書が持つ構造的な巧妙さを物語っています。

また、米澤穂信氏は「成熟した小説が大胆な真相に至る」とし、待望の作品が登場したことへの喜びを表現。各作家からのコメントは、その作品のクオリティを裏付けるものとなっています。

内容の深掘り

本書では、どの事件においても大きい小さいはなく、それらがどのように関連しているのかを探ることが求められます。物語は比較的静かに始まりますが、山奥で発見された不気味な死体がきっかけとなり、それを巡る謎が広がりを見せます。この死体は、顔を潰され、歯を抜かれ、手首から先を切り落とされた状態で発見されます。その知らせに揺れる警察に対し、一人の小学生が訪れ、自分の父親かもしれないと言い放つのです。

このように、行方不明となった父親と、失踪宣告の絡む謎が交差し、読者は現在と過去が交じり合う物語の静かなる波に飲まれていきます。どのようにしてこれらの出来事が繋がっていくのか、真実がどのように明らかにされるのか、物語が進むにつれ、緊迫感が増していくことでしょう。読後の意味合いを変えられるタイトルと相まって、櫻田氏の仕掛けは読者を飽きさせません。試し読みはこちらから。

著者の紹介

櫻田智也氏は1977年生まれ、北海道出身の作家です。2013年に昆虫愛好家の青年を主人公にした「サーチライトと誘蛾灯」で、第10回ミステリーズ！新人賞を受賞し、その後も数々の受賞歴を持つ実力派作家です。本書は、彼の初の長編小説であり、読み応えのあるミステリーとして高く評価されています。彼の独特の視点と物語作りの才能に、今後も注目が集まることでしょう。