知られざる兄弟の歴史を解き明かす
10月10日、NHK出版から柴裕之氏の著書『秀吉と秀長「豊臣兄弟」の天下一統』が発売される。この新書は、2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」の時代考証者としての経験を生かし、兄弟が織りなした歴史を掘り下げるものである。
豊臣の平和とその終焉
豊臣家と言えば、特に豊臣秀吉の名は多くの人々に知られているが、弟の豊臣秀長の存在は必ずしも世間に知られているとは言えない。本書では、秀長がいかに秀吉を支え、時には自身も重要な役割を果たしてきたのかに注目する。彼の生涯は、兄の成功の陰でひっそりと存在していたが、実は秀吉の飛躍には秀長の存在が不可欠であったことが分かる。
兄弟の初めから天下人へ
第一章では、秀吉と秀長の出生と成長が描かれ、彼らがどういった環境で育ったのかを探る。そして第二章では、織田家の家臣としての二人の活躍が焦点を当てられ、本能寺の変以降の動乱期における彼らの戦略と生き方に迫る。
主導権争いと豊臣政権の成立
第三章では、本能寺の変後の混乱した時代背景の中、二人がどのように主導権争いを乗り越えていったのかを紹介し、第四章では豊臣政権の成立に至るまでの道筋を描写する。これにより、豊臣家がどのように形作られていったのかが明らかになる。
天下一統への道のり
第五章では、秀吉と秀長がどのように協力し、「天下一統」を達成するに至ったのかの過程を詳らかにしていく。ここでは、彼らの関係性や当時の政治的状況が複雑に絡み合った様子が描かれ、どれほど脆弱で危うい状況下であったのかも見えてくる。最後に第六章では、秀長の死去後の政権の行方と、豊臣家が迎える運命について触れられる。
著者の背景
著者の柴裕之氏は、東洋大学や駒澤大学で非常勤講師を務める傍ら、歴史研究を続けてきた。著書には『徳川家康』や『織田信長』などがあり、豊臣秀長についての研究も行っている。彼の学識と情熱が本書に色濃く反映されており、ただの歴史書にとどまることなく、物語としての深さを持っている。
また、本書はNHK出版のデジタルマガジンに一部が公開されているため、購入前に内容に触れることも可能です。
まとめ
『秀吉と秀長「豊臣兄弟」の天下一統』は、豊臣兄弟の知られざる物語と二人の実像を浮き彫りにする一冊である。この本を手に取ることで、歴史の新たな視点を得ることができるだろう。皆さんもぜひ、歴史の深淵に触れてみてはいかがだろうか。