港町の小学生が学ぶ、コンテナとグローバルのつながり
2025年3月5日、広島市宇品小学校で行われた特別授業では、絵本『ジャン=ピエール 7つの海をゆく』を通じて、港町に住む小学生たちにコンテナがどのように世界と私たちをつないでいるかが教えられました。この授業は、作家のキリーロバ・ナージャ氏と、コンテナ海運会社 Ocean Network Express(ONE)によるコラボレーションで実現しました。
絵本『ジャン=ピエール7つの海をゆく』とは?
この絵本は、マダガスカル出身のカカオ豆、ジャン=ピエールがフランスに向かう旅を描いています。物語を通じて、私たちの日常生活で使用される物がどれほど遠くから運ばれているのか、そしてそれがコンテナ船によって実現されていることが示されています。
授業の目的と流れ
小学校の教師たちは、港町の生徒にコンテナの重要性を理解してもらうため、ナージャ氏と一緒に特別授業を企画しました。対象とされたのは、卒業間近の6年生6クラスです。この生徒たちは、世界とつながるコンテナのテーマを学ぶため、事前に「ミッションムービー」という課題が出されました。
この課題では、児童たちが「一番遠くから運ばれてきたと思うもの」の写真を撮り、その理由を説明することが求められました。各チームは、学校の中からそのアイテムを見つけ出し、タブレットで写真を撮影。その後、世界各国の海運データをもとに、どの国から運ばれてきたのかを推定しました。
当日の授業には3つのパートがあった
授業当日は、以下の流れで進められました。
1.
絵本の朗読:ナージャ氏が『ジャン=ピエール 7つの海をゆく』を朗読し、物語を通じてコンテナの重要性を分かりやすく紹介しました。
2.
ミッション発表:事前に出されていた「遠くから来たものを探すミッション」の上位3チームを発表しました。選ばれたチームの子どもたちは大きな喜びを表現しました。
3.
コンテナの説明:Ocean Network Expressの広報担当、小堺祐樹氏が、コンテナの歴史や私たちの生活への影響について説明。クイズを交えた楽しみながらの講義形式で、児童たちは興味深く耳を傾けました。
子供たちの反応
授業を受けた生徒たちは、コンテナが世界と日本をつなぐ重要な役割を果たしていることに気づき、「自分が海外のものに支えられていると思った」と感想を述べるなど、新しい学びを得たようです。また、「海外にかかわる仕事に興味が湧いた」と、自らの将来について考える機会にもなりました。
教師向け特別講座
夜には、広島市の教育連携を促進するedu-plugによる教師向けの講座も実施されました。昼間の授業内容を振り返り、絵本の朗読とコンテナの世界についての詳細な講義が行われ、今後の授業に活かすヒントが提供されました。
今後の展望
今回の授業は、全国の港町に広がっていく予定です。絵本を通じて、子どもたちにグローバルな視点を持たせ、コンテナの重要性を理解してもらう活動が今後も続けられることでしょう。 全国の教育現場において、ますますその重要性が増していくことが期待されます。
この授業の背景には、コンテナを学べるサイト、Ocean Network Expressの「コンテナワールド」なども活用されています。特別な授業を通じて、子どもたちが未来を見つめ直し、国際的な視点を持つきっかけになることを願っています。