角野隼斗のアップライトピアノ・プロジェクトが全国展開中
ピアニストである角野隼斗さんが発案し、監修する『アップライトピアノ・プロジェクト Piano for Myself』は、2023年7月から2024年11月にかけて全国17か所で行われます。このプロジェクトでは、特別仕様のアップライトピアノを全国へ届け、誰もが自由に演奏できる環境を創出します。
全国17か所に広がる音楽体験
プロジェクトは、2023年7月に東京での展示イベントを皮切りに、福井、山梨、富山、広島などの地域イベントやサロン、音楽祭など多様な形式で実施され、総計3,000人を超える人々が演奏を楽しみました。この活動は、来場者を7,000人以上迎え、地域の皆さんと音楽を共有する貴重な機会を提供しています。
『自分のために弾く音楽』の大切さ
『Piano for Myself』という副題には、音楽は「自分のために奏でるものでもある」という角野さんの強いメッセージが込められています。アップライトピアノは、特に柔らかく繊細な音色が特徴で、演奏者との対話を促す音響特性を持っています。このプロジェクトは、音楽の聴き方を「聴かせる」から「感じる」へと改革し、幅広い世代に共感をもたらしています。
地域特性を活かした多彩なイベント
各地域の主催者は、それぞれの特性を活かし、多様な企画を展開しました。ジャズフェスティバルやクリスマスイベント、小学生向けワークショップ、さらには瞑想を取り入れた演奏体験や仏像展での即興演奏など、さまざまなスタイルで実施されました。多くの主催者は「普段ピアノに触れない人々が集まり、世代や立場を超えた交流が生まれた」と好意的に語っています。
音楽祭での生徒たちの変化
東京の朋優学院高等学校でも、本プロジェクトを通じて生徒主導の音楽祭が開催されました。学生たちは、ピアノが校内に設置されたことで新たな音楽への興味を持ち、普段関わらない人々とも交流する貴重な瞬間を体験しました。生徒の一人は、「音楽は誰かのためだけでなく、自分のためにもある」と気づいたと語ります。
次世代へ音楽の価値をつなぐ
このプロジェクトの柱の一つは「子どもたちに音楽をつなぐ」という理念であり、音楽の仕組みや独特な音色を体験することで、次世代にその価値を伝えようとしています。角野さんは「自分が音楽と出会えたのは、大人たちがその機会を作ってくれたから」と語り、自身も次世代への橋渡しを果たす使命を感じています。
第Ⅱ期の募集も開始
2025年6月から2026年3月に実施される第Ⅱ期の企画に向けて、全国からの主催者を募集しています。参加者の条件は、原則無料のイベントで、ピアノ設置や演奏が許可されていることが求められています。詳細は公式ウェブサイトにて提供予定です。
このプロジェクトは、音楽を通じて地域の人々や子どもたちとのつながりを深める取り組みとして、今後も注目されることでしょう。音楽をもっと身近に感じ、自分のために奏でる喜びを再発見する機会を、ぜひ皆さんも体験してみてください。