Qobuz、音楽ストリーミング業界初のロイヤルティ額を発表
高品質な音楽ストリーミングとダウンロードを得意とするフランス発のプラットフォーム、Qobuz(コバズ)が、音楽業界における初の試みとして第三者機関によるロイヤルティの平均額を公開しました。この発表は、アーティストへの公正な報酬を実現するための一環として行われ、音楽業界の透明性向上に懸ける強い意志が感じられます。
透明性の重要性
音楽業界は、近年透明性の欠如が問題視されてきました。この中でQobuzは、「1ストリーミングあたりの平均ロイヤルティ率」を第三者機関によって検証される初のストリーミングサービスとなり、その成果を発表することで、業界における公正なビジネスモデルの確立を目指します。具体的には、2023年度にQobuzがレーベルや出版社に対し、1ストリーミングあたり平均0.01802ユーロ(約2.90円)のロイヤルティを分配したことが明らかにされています。つまり、1曲がQobuzで1,000回再生されると、権利保有者は約18.02ユーロ(約2,898円)を受け取ります。これを踏まえたアーティストや作詞家への報酬も透明に行われる仕組みです。
ユーザーあたり収益の驚異的な高さ
さらに、Qobuzはユーザーあたりの平均収益(ARPU)が117.60ユーロ(約18,910円)に達し、市場平均の21.73ユーロ(約3,494円)と比べて約5倍の成果を上げています。これにより、アーティストへより豊かな報酬がもたらされる可能性が高まります。
高品質な音楽体験の提供
Qobuzは、持続可能で高品質な音楽制作を支援すべく設立され、その活動の中で特に強調される特長がいくつか存在しています。1つ目は、「広告なしの有料サービス」であり、これにより音楽制作に関わるすべての人々へ高いロイヤリティを確保します。2つ目は、「高音質のストリーミング」で、すべてのプランでハイレゾ音質やCDロスレスを提供し、独自の編集コンテンツも付加してプレミアムなブランドイメージを形成しています。
3つ目に、Qobuzはオンラインストアを立ち上げ、すべてのユーザーがストリーミング契約に関わらずハイレゾ音質やCD音質のアルバムを購入できる仕組みを持っています。これにより、権利保有者にはより高いロイヤリティを直接提供できます。特に、ストリーミングでは人気が出にくいロックやクラシックなどのジャンルがこのシステムで強化され、全体のアーティスト収入の増加にもつながっています。
さらに、Qobuzは様々なアーティストや音楽ジャンルへのスポットを当て、編集者の選定によるプレイリストや特集を通じて多様な音楽を紹介しています。あまり知られていない作品でも、多くの再生を得る機会を提供することで、全体的なアーティスト収入の増加を実現しています。
Qobuzのロイヤルティの仕組み
Qobuzは、他のストリーミングプラットフォーム同様、アーティストへの収益を直接支払う仕組みは採用していません。おおよそ50%の収益が権利保有者に支払われ、その後に契約に基づきアーティストや作曲家に再分配される形を取ります。これにより、Qobuzは透明性をもたらしつつ、公平な報酬配分の方針を持っています。
結論
Qobuzは、その透明性と高品質なサービスによって、音楽ストリーミングの新たなスタンダードを築こうとしています。ユーザーがQobuzを利用することは、アーティストへの公平な報酬の提供と音楽の多様性を支える行動となり、音楽業界全体にポジティブな影響を与えることでしょう。今後も、Qobuzの動向から目が離せません。