出版業界に新たな風を吹き込む連携が実現
約1,500店舗の書店と本の総合情報アプリ「本コレ」、そして約500店舗の書店在庫を扱う「書店在庫情報プロジェクト」が基本合意を締結しました。この合意は、出版業界8社が資金を提供し、株式会社Catalyst・Data・Partners(以下、CDP)と共に「オープンデータで世の中を変える」ことを目指した取り組みの一環であり、両者の協力により、書店の在庫情報と全国の書店情報が一体化することとなります。
何が変わるのか?
今後、読者は「今、欲しい本がどこにあるか」を瞬時に確認できるようになります。この新しい体制は、書店における在庫情報の提供を加速し、事務負担を軽減しつつ、出版文化の持続可能な発展にも寄与することを目的としています。
背景と目的
出版市場では、「リアル店舗で本を手に取りたい」という読者のニーズが根強く存在しています。しかし、書店の在庫情報を横断的に検索する手段が不足しており、多くの読者が望む情報にアクセスしづらい状況でした。そこで、書店在庫情報プロジェクトは、参加書店数を約500店舗へと拡大し、大手取次と連携することで、在庫情報のオープン化を進めています。
一方、「本コレ」は書籍、コミック、雑誌などの情報と書店在庫の検索機能を統合したアプリとして、読者に新たな体験を提供してきました。これらの両者が連携することで、在庫情報の収集と提供のプロセスが効率化され、書店の負担が軽減されることを目指します。
具体的な連携内容
1. 書店向け在庫情報提供の承諾プロセスの共通化
各書店は「本コレ」と「書店在庫情報プロジェクト」それぞれに在庫情報を提供するための手続きを共通化することで、情報公開の範囲を最大限に広げることが可能となります。これにより、書店の事務的負担を最少化しながら、広範な情報発信を実現します。
2. 技術情報の共有とAPI連携
CDPとカーリルの技術担当者は、定期的に情報を共有し合い、システム間のデータ連携を円滑に進めます。これにより、読者にはより正確でストレスのないリアルタイム在庫検索の体験が提供されます。
3. IT未導入書店へのDX支援
独自の在庫管理システムを持たない書店やIT活用に課題を抱える書店への支援を強化し、クラウドPOSレジ導入を含むさまざまなサポートを検討しています。これにより、小規模な書店でも簡単に在庫情報を公開し、維持できる仕組みの構築へとつなげていきます。
声を届ける
CDPの代表取締役社長田中康正氏は「本コレ」が読者と本との出会いをスムーズにすることを追求してきたと語り、今回の連携に期待を寄せています。また、書店在庫情報プロジェクトの松木修一専務理事は、地域の書店で購入可能な情報を提供することを目指していると述べ、全ての人が書店を身近に感じられる環境を作る意義を強調しました。
未来に向けて
この連携は、出版文化の新しい未来を切り開く大きな一歩であり、書店や出版業界全体にとっても重要な改革です。読者にとって「欲しい本がすぐに見つかる喜び」を、書店にとっては「デジタルの力による新たな送客」を提供するために、これからも進化を続けていくことでしょう。