エジプトでの音楽教育革新
ヤマハ株式会社が第9回アフリカ開発会議(TICAD9)でエジプト教育・技術教育省との協力覚書を結び、公共教育における音楽教育の質向上を目指しています。本プロジェクトでは、エジプトの公立小学校の100校で日本型音楽教育を試験的に導入します。
ヤマハのビジョン
ヤマハは、2015年から新興国を中心に「スクールプロジェクト」を展開し、世界中の子どもたちが音楽を通じて心豊かな人生を送れる平和な社会の実現を目指しています。この取り組みは、各国の政府教育機関と連携し、カリキュラムの構築支援や指導者の育成、教材や楽器の提供を行い、音楽教育の普及を推進しています。実績として、10か国で425万人以上の子どもたちが音楽教育を受ける機会を得ています。
エジプトでの試験導入
エジプトではすでに、2021年から「エジプト日本学校」の50校において、合計2,800名の児童にリコーダーを使用した音楽教育が試験的に行われています。このプログラムは、日本型音楽教育の特色である「器楽」に焦点を当て、「歌唱」「鑑賞」「音楽づくり」も含む多面的な内容となっています。新しい教育方針と共鳴し、「規律的・協働的な人材育成」の実現を目指し、ペアワークや探究活動などを取り入れた学びのスタイルを実践しています。
今後の展開
今回の覚書締結を受け、ヤマハはエジプトの一般公立小学校100校で、リコーダーを用いた音楽教育をさらに拡大する計画です。この取り組みを通じて、エジプトの子どもたちに新しい音楽体験を提供し、彼らの感受性や創造性を育てることを目指しています。
TICAD9での発表内容
8月20日から22日にかけて開催されたTICAD9では、ヤマハの「スクールプロジェクト」と、タンザニアでの森林資源のエコシステムを構築する「おとの森」プロジェクトについても紹介されました。これらの取り組みは、持続可能な開発目標(SDGs)を支援し、質の高い教育の提供を目指しています。
ジャパンモデルの提供
ヤマハがエジプトの音楽教育に与える影響は、単なる楽器の提供だけではありません。日本型音楽教育が持つ深い意義と、それに基づくカリキュラムが、エジプトの教育事情に合った形で展開されることで、子どもたちの非認知能力の育成が期待されます。これは、教育の質だけでなく、将来的な人材の育成にも寄与するでしょう。
結論
ヤマハ株式会社の音楽教育への貢献は、国境を越えて広がりを見せています。エジプトにおける新たな音楽教育の取組みが、子どもたちに豊かで多様な音楽体験を提供し、彼らの未来を照らすことでしょう。