戦時中に学んだ心が宿る本
最近、戦時中に発行された教科書『復刻版 初等科国語 中学年版』が増刷されることが決定し、昭和17年に文部省が著したこの本に再び注目が集まっています。この教科書は、小学校三年生と四年生の国語の教材として使われていましたが、日本人としての心を育てる内容が詰まっています。これまで戦後の教育の中で忘れ去られていた価値観が、優しい言葉で表現されているのです。
教科書に込められた大切な教え
本書が持つテーマをざっくりと分類すると、神話や偉人伝、神社に祝祭日、そして尚武の精神や親孝行、自然とのつながり、生き物への思い、科学的考察など多岐にわたります。これらの内容は、単なる知識としてではなく、日本の歴史や文化、そして道徳心を育むことを目的としています。一貫して流れるテーマは「優しさ」であり、それが日本人としての精神を底支えしているのです。
教科書が語る内容からは、現代日本人が失いつつあるものの大きさを実感させられます。優しさと強さ、これが日本人が持つべき美徳だと言えるでしょう。歴史を振り返ると、日本が戦中に培った精神は、このような教科書で育まれていたことを思い知る瞬間です。
GHQによって消された日本精神
実際、GHQはこの教科書を危険視し、多くの部分に墨を塗りました。それは、未来の日本人がこの教科書を通じて日本の心を学ぶことを避けさせるためのものでした。しかし、今では本書を復刻し、旧字や旧仮名づかいから新仮名づかいに改めることで、現代の読者にも受け入れられる形となりました。
日本語自体も変化を遂げているため、当時のまま読むのは困難ですが、本書に込められた先人たちの思いを受け取り、現代に活かすことができるよう努めることが重要です。私たちが美しい日本と日本語を受け継いでいくための一助となれば幸いです。
書籍情報
この復刻版は、2020年8月4日に発売され、312ページのボリュームを誇ります。著者は文部省、解説を書いたのは葛城奈海氏。価格は2000円(税別)で、現在はアマゾンなどで購入することが可能です。
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結語
『復刻版 初等科国語 中学年版』は、昔の教科書が持つ教育的価値を再発見するための一つの手段です。この本を通じて、古き良き日本の精神や、美学を再考し、次世代に繋げていくことが求められているのではないでしょうか。