新国立劇場が送るオペラの夜『オルフェオとエウリディーチェ』再演の魅力

新国立劇場が再び魅せる『オルフェオとエウリディーチェ』

東京都渋谷区に位置する新国立劇場が、音楽とダンスの見事な融合を描いた舞台『オルフェオとエウリディーチェ』の再演を発表しました。この作品は、舞踏家で振付家の勅使川原三郎による独自の美学で彩られ、生と死、光と闇をテーマにした緊張感溢れる舞台です。初演から多くの感動を呼び起こしたこの作品は、多くのアートファンを魅了し、待望の再演が決まりました。

グルックの名作オペラ

『オルフェオとエウリディーチェ』は、亡き妻エウリディーチェを取り戻すために旅する詩人オルフェウスの物語です。ギリシャ神話を基にしたこの物語は、音楽と演劇が絶妙に組み合わさっており、オペラの改革者グルックの力強い表現が光ります。オルフェウスは冥界でエウリディーチェを迎え入れるため、試練を乗り越えなければなりませんが、ついに振り向いてしまうその瞬間の葛藤が、ドラマチックに描かれています。

スタッフとキャスト

再演の目玉は、バロック音楽の権威、アルト歌手サラ・ミンガルドがオルフェオ役で新国立劇場に初登場することです。彼女の歌声がどのようにこの役に命を吹き込むのか、大いに期待されています。また、指揮を務めるのは園田隆一郎で、彼のスリリングな指揮が楽曲にどのような新たな息吹をもたらすのか、目が離せません。

他にも、エウリディーチェ役にはイタリアの新星ベネデッタ・トーレ、愛の神アモーレ役には実力派メゾソプラノの杉山由紀が出演。ダンスキャストには、初演でも観客を圧倒した佐東利穂子、アレクサンドル・リアブコが名を連ね、オフィーリア・ヤングやハビエル・アラ・サウコも加わることで、一層の華やかさと迫力を増します。

アートの融合で創出される美

勅使川原三郎はダンスの振付を担当し、その独自のダンス・メソッドによってこの作品に情熱を注いでいます。彼が生み出す身体表現は、他の要素との融合により、観客に深い体験を提供します。音楽、美術、照明、ダンスすべてが一体となって、究極の芸術的体験を形成します。

再演の期待

初演の際には、多くの称賛を浴び、「息をするのも忘れてしまった」という声が多く聞かれました。コロナ禍を経て、再度の公演が実現したことに感謝しつつ、観客たちの期待が高まっています。『オルフェオとエウリディーチェ』は、舞台芸術の素晴らしさを再確認させる作品であり、自分自身と向き合うきっかけを与えてくれることでしょう。

2025年の公演日程は、12月4日、6日、7日の3日間で、新国立劇場のオペラパレスにて行われます。チケットはすでに販売が開始されており、詳細は公式ウェブサイトをご確認ください。美の極致を体感するため、ぜひこの機会をお見逃しなく。