被爆者の未来を託す「Hiroshima Peace Program」英語版が配信開始

被爆者の未来を託す「Hiroshima Peace Program」英語版が配信開始！

広島のテレビ新広島（TSS）は、核兵器廃絶と平和の実現を目指してきた歴史があります。この度、TSSは特別番組「託されし人たち～被爆79年約束の時～」の英語版を、2025年8月21日から世界に向けて配信することを発表しました。この番組は、被爆者の体験を次世代に伝える重要な役割を果たすよう意図されています。

背景と番組の成り立ち

2024年3月末の調査によれば、広島での被爆者は約10万6,800人に上ります。この数値は、15年前に比べ約13万人も減少しており、被爆者の平均年齢は85歳を超えました。高齢化が進む中で、被爆者が直接証言する機会も限られ、その体験が失われつつある現実に直面しています。この状況は、テレビ新広島の制作陣にとって、番組作成の大きな動機となりました。

番組の制作においてディレクター宮崎隆史氏は、「被爆者はいつかいなくなる。この先、誰が被爆者の思いを伝えていくのか」という思いを抱き、展示される体験談を通じて次世代に向けた平和のメッセージを届けようとしています。

番組の意義

「託されし人たち」は、過去の被爆者の証言を映像で未来に伝えるだけでなく、視聴者自身が体験の重要性を感じ、平和の意識を持つことを目的としています。番組に登場する3人の被爆者は、それぞれ異なる背景を持ちながら、共通して平和の確立を願う強い信念を持っています。彼らの体験や思いを通じて、視聴者は“平和の意味”を再考する機会を得ることでしょう。

被爆者の高齢化と伝承の課題

撮影担当の髙山祐一氏と、編集を担う藤本敏司氏は、現代における被爆者の体験をどのように継承していくべきかというテーマを深く掘り下げています。番組では、収録された映像とともに、異なる背景を持つ被爆者とその伝承者の声が交互に配され、視聴者が「あの日」の記憶に向き合う構成となっています。

制作チームの思い

構成・プロデューサーの田中浩樹氏も同様に語ります。被爆者がいなくなる日が必ず来る中、我々にできることは何かを考えさせられます。この番組は、その問いかけのきっかけとなることでしょう。

90年代から続くこのプロジェクトは、被爆者の体験を次世代へ伝えるための重要な取り組みです。これからも多くの人々に平和と被爆のメッセージが届くことを願っています。