人気警察小説シリーズの最新作『審議官隠蔽捜査9.5』
作家・今野敏氏による名作『隠蔽捜査』シリーズに新たな短篇集が加わる。その名は『審議官隠蔽捜査9.5』。待望の最新作が8月28日に新潮文庫より刊行される。シリーズを愛するファンにとって、この本はまさに待ちわびた一冊と言えるだろう。
竜崎伸也の形を変えた人々の視点
シリーズを通じて描かれるのは、警察庁のキャリア官僚である竜崎伸也の姿だ。彼の価値観や行動原理は、他の登場人物たちの影響を受けており、各短篇では彼を異なる角度から照らし出す。
たとえば、板橋捜査一課長が竜崎に与えられた影響や、彼の家族、友人、部下たちからの視点は、竜崎の人柄や凄みを際立たせる要素となっている。この新刊では、冴子、美紀、邦彦を含む彼の家族、そして彼が従事していた大森署の署員たちの語りが、竜崎の本質に迫る重要な鍵を提供する。
各作品の紹介
『審議官隠蔽捜査9.5』には、以下の短編が収められている。
- - 空 席
- - 内 助
- - 荷 物
- - 選 択
- - 専門官
- - 参事官
- - 審議官
- - 非 違
- - 信 号
どの物語も、竜崎の独特なキャラクターを掘り下げ、読み応えのある内容となっている。
今野敏の魅力と執筆経歴
今野敏氏は、1955年に北海道で生まれ、上智大学在学中にデビュー。彼の作品は警察小説に限らず、さまざまなエンターテインメントにわたる。2006年には『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を受賞し、その後も数々の賞を受賞。特に『隠蔽捜査』シリーズでは、警察小説の新たな地平を切り拓く役割を果たしている。
読者へのメッセージ
『審議官隠蔽捜査9.5』は、新たな警察官僚の物語を通じ、理想と現実の狭間で揺れる竜崎の姿を描く。今作を手に取ることで、彼のキャラクターへの新たな理解が得られるだろう。過去の作品を読んでいなくても楽しむことができるが、シリーズファンにとっては格別の一冊となるはずだ。
また、解説を担当した若林踏氏の深い洞察も、本書の魅力を高める要素となっている。ぜひ、この機会に『審議官隠蔽捜査9.5』を手に取って、新たな竜崎の世界を堪能してほしい。
書籍情報
- - タイトル: 審議官隠蔽捜査9.5
- - 著者: 今野敏
- - 発売日: 8月28日
- - 価格: 781円(税込)
- - ISBN: 978-4-10-132166-0
- - 購入リンク: 新潮社