堂本印象の芸術世界を振り返る特別展が京都で開催

堂本印象の芸術世界を振り返る特別展の開催

京都国立近代美術館では、2025年10月7日から11月24日までの期間、「没後50年堂本印象自在なる創造」と題した特別展が開催されます。この展覧会は、近代日本画壇の巨匠・堂本印象の没後50年を記念し、彼の多彩な芸術表現を振り返る貴重な機会となります。

堂本印象の人生と業績

堂本印象（1891〜1975）は、大正7年に京都市立絵画専門学校に入学し、その後画塾「青甲社」で絵画の研鑽を積みました。第一次大戦を経る中で、彼は初の帝展に出品した《深草》で初入選を果たし、さらなる評価を得るために次々と新作を発表しました。特に、帝国美術院賞を受賞した《華厳》などは、彼の名を広める重要な作品となりました。

その後、60歳を超えて渡欧した堂本は、具象表現から抽象表現へとスタイルを変革し、自由な筆致で躍動感あふれる作品を生み出すようになりました。このような変化は、彼の創作における「自在なる創造」を象徴しています。

展覧会の見どころ

本展では、堂本印象の代表作を中心に、官展出品作や収蔵作品を展示します。その中には《木華開耶媛》や《訶梨帝母》、《冬朝》など、彼の多様な表現スタイルが垣間見える作品が含まれています。

特に、彼の後期作品に見られる抽象的なスタイルは、堂本の新たな創造性を感じさせます。彼がどのようにして日本画の枠を超え、独自のアートを確立していったのかを、じっくりと味わうことができます。