最近、東京都渋谷区にあるアナログレコード専門店「Face Records MIYASHITA PARK」では、2025年の新品レコード売上ランキングが発表され、注目を集めています。実は、この店舗の約9割を占める購入者がインバウンド客なのです。つまり、海外からの訪問者が日本の音楽に強い関心を寄せているということです。この現象の理由を、ランキング上位の作品や音楽のジャンルから読み解いてみましょう。
まず、このランキングを見てみると、Nujabesや久石譲など、昭和から平成にかけて愛されてきたアーティストの楽曲が多くランクインしています。特にNujabesの「metaphorical music」や「modal soul」は、1位と2位を獲得しており、ローファイ・ヒップホップが世界のリスナーから高い評価を得ていることが分かります。Nujabesは、自身の活動拠点である渋谷にルーツを持ち、訪れたファンにとってその地でレコードを購入することは、単なる買い物以上の経験となります。音楽が生まれた土地である渋谷での買い物は、心に残る体験となるのです。
次に、久石譲のジブリ作品のサウンドトラックがランキングに多く登場しています。映画を介して日本の情景や感情を感じ取り、その記憶を持ち帰るために、海外のファンはジブリのレコードを探しています。「ハウルの動く城」や「千と千尋の神隠し」といった作品のサウンドトラックは、特に海外での流通が限られているため、日本に来た際にはぜひ手に入れたいアイテムなのです。
さらに、シティ・ポップの需要も見逃せません。杏里や山下達郎が代表的なこのジャンルは、海外で“Japanese City Pop”として一つの音楽ジャンルとして確立されています。シティ・ポップは渋谷の都市文化と強い結びつきを持っており、その音楽を生んだ場所での体験は、ファンにとって特別な意味を持つのです。訪れた際にレコードを選ぶ楽しみは、音楽の魅力以上のものを提供します。
ミヤシタパーク店のスタッフも、今回のランキングに見られる作品の人気について触れています。多くの海外のお客様が、特に人気のあるタイトルを求めて来店され、「やっと手に入れた」と喜ばれる声が代々聞かれます。また、シティ・ポップの購入者の中には、店頭でのレコメンドがきっかけでその魅力を発見し、手に取る方も多く見受けられます。年齢層は20代から30代で、とりわけ欧米からの来店客が増えています。
Face Recordsは1994年に設立されたアナログレコード専門店で、渋谷区の文化を体現する存在感を放っています。特に2020年にオープンしたミヤシタパーク店は、海外からの訪問者を含む多くの音楽ファンに愛されています。アナログレコードの魅力は、単なる音楽の収集を超えてその土地の文化とも密接に結びついており、世界中の音楽ファンにとって特別な体験を提供しているのです。今後もこのトレンドがどのように変化していくのか、引き続き注目が集まります。このように、日本でしか手に入らない音楽体験が、海外ファンにとっての大きな魅力となり続けることは間違いないと言えるでしょう。