XRアニメーション『First Virtual Suit』がヴェネチア国際映画祭にてプレミア上映決定

XRアニメーション『First Virtual Suit』がヴェネチア国際映画祭で上映

株式会社CinemaLeapが製作したXRアニメーション『First Virtual Suit』が、第82回ヴェネツィア国際映画祭のIMMERSIVE部門にてプレミア上映されることが発表されました。この映画祭は世界最古の歴史を誇り、カンヌやベルリンと並ぶ三大映画祭の一つとして名高いものです。

本作の上映は2025年8月27日から9月6日まで、ラッザレット・ヴェッキオ島で行われる予定です。『First Virtual Suit』は、特に注目されるVR部門「VENICE IMMERSIVE」にノミネートされ、今回特別に招待された作品となっています。この部門は2017年に新設され、今年で9回目の開催を迎えます。

作品の背景と制作過程

『First Virtual Suit』は、ヴェネツィア・ビエンナーレが実施するVRクリエイター育成プログラム「BIENNALE COLLEGE CINEMA VR」を経て、今回の招待上映に至りました。また、経済産業省の「創風」アクセラレーションプログラムからの支援を受け、次世代クリエイターをサポートしています。

作品のコンセプト

本作は、近い未来に仮想世界が日常になる様子を描いています。登場人物はそれぞれ「アバター」というもう一つの自分を持ち、その存在にどのような意味を持たせるのかをテーマにしています。このアバターは、理想の姿や隠された真実など、様々な自己を映し出す存在となります。

観客は『First Virtual Suit』を通じて、仮想空間での自己表現の自由さとともに、選択が現実にも影響を与える様子を体験することになります。監督のゆはらかずき氏は「この映画を通じて、観客が自分の内面と向き合うきっかけとなることを願っています」とコメントしています。

制作チームとサポート

本作の制作チームには、監督のゆはらかずき氏、脚本を担当する佃良太氏、音楽を担当する島尚比呂氏などが名を連ねています。さらに、株式会社フレームシンセシスのKorinが開発を行い、多彩なアプローチがこの作品の魅力を引き立てています。

監督ゆはらかずきのビジョン

ゆはら監督は、作品中に登場する高校生たちが仮想世界で直面する悩みや選択肢を描くことに力を注いだと言います。「バーチャルでの自由さは魅力的ですが、選択肢があまりにも多いと戸惑いが生じるのも、誰もが経験すること」と語ります。

『First Virtual Suit』は、単なるアニメーションではなく、自己探求の旅であり、観客一人ひとりに「なりたい自分」への問いかけを行います。これは、自己与えられた定義を再考する機会を提供するものです。