梨木香歩の名作が漫画として蘇る!
梨木香歩の作品『家守綺譚』が、漫画家・近藤ようこによって新たな形でリリースされることが話題を呼んでいます。この作品は、これまで雑誌「波」での35回にわたる連載を経て、いよいよ9月25日に単行本として発売される運びとなりました。
美しいカバーイラスト
近藤ようこさんが描き下ろしたカバーイラストでは、季節感あふれる紅葉、南天、桜などが描かれ、物語の不思議さと共に、登場人物たちの魅力が引き立っています。このイラストは、原作からのイメージを基に、近藤さんが自由な発想で仕上げたものです。
『家守綺譚』の物語
物語の舞台は明治時代。文筆家・綿貫征四郎は、亡くなった友人・高堂の家で「家守」として暮らしています。この家には、四季を彩る無数の草花が存在し、時折不思議な出来事が起こるのです。サルスベリに懸想したり、河童の衣を見つけたり、化狸を助けたりと、彼の日常は常に驚きに満ちています。
物語が進むにつれて、秋から冬、そして再び春へと季節が巡り、綿貫は高堂の物語を書くことを決意します。この時代、人々が自然と近い生活を送りながら、少し不思議な経験を通じて心の豊かさを感じる様子を描いています。
原作者と漫画家のコメント
梨木香歩さんはこの作品について次のようにメッセージを寄せています。「行間が、ここまで絵にできるなんて」。この言葉からは、原作の魅力がいかに漫画として再現されたか、その期待感がうかがえます。また、近藤ようこさんも「やさしく、きびしく、しあわせな仕事でした」とコメントし、自らの制作過程や作品への思いを語っています。
著者紹介
梨木香歩(1959年生まれ)は、多くの小説やエッセイを書いており、特に『家守綺譚』や『丹生都比売梨木香歩作品集』などが代表作となっています。彼女の作品は、緻密な描写と独特の世界観で多くの読者を魅了しています。
一方、近藤ようこ(1957年新潟市生まれ)は、大学在学中に漫画家デビューを果たし、数々の賞を受賞してきた著名な漫画家です。彼女の作品には、歴史や文学をテーマにしたものも多く、深い造詣を持つクリエイターとして知られています。
書籍データ
『家守綺譚』(上・下)は、いずれも9月25日に発売され、定価は上巻が1,870円(税込)、下巻が1,815円(税込)です。A5判ソフトカバーの造本で、ISBNはそれぞれ978-4-10-356471-3(上)と978-4-10-356472-0(下)となっています。
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この新たな漫画版『家守綺譚』が、どのように原作の魅力を引き出し、読者に新たな感動をもたらすのか、ぜひ期待して待ちましょう!