リハビリテーションの新境地を切り拓く道免和久教授の挑戦
この度、医療分野のヒューマンドキュメント誌『DOCTOR'S MAGAZINE』が5月号を発刊し、兵庫医科大学の道免和久教授を特集しました。リハビリテーション医学の第一人者として知られる彼は、脳卒中後の麻痺患者に対する新しいリハビリテーション方法「CI療法」を日本に広めました。この方法により、多くの患者がその可能性を引き出され、喜びを取り戻しています。
道免教授が切り拓いたCI療法とは?
CI療法(Constraint-induced movement therapy)は、片側の麻痺を持つ患者が使用できる手を不可視的制約を設けて使用しないようにし、逆に麻痺している手を積極的に動かすことで機能を促進するリハビリ療法です。この方法は、脳が再び動作を学習する手助けをすることで、患者の日常生活をより豊かにすることを目的としています。道免教授は、従来のリハビリでは難しいとされていた機能回復を実現するための新しいアプローチとして、この療法を推奨しています。
道免教授は、整形外科医でありながら、自らリハビリテーションの道を選びました。彼の父も医師であり、義足の研究を行っていました。その影響を受けながらも、道免教授は自らの理念を持ち、患者たちに寄り添うリハビリの実現を誓いました。「麻痺を治したい」という思いに応えるため、道免教授は様々な革新を追求しています。
患者の尊厳を守るための活動
道免教授は、2006年の診療報酬改定に際してリハビリ医療の制限に反対する運動にも取り組みました。その際、患者の尊厳を守るために署名活動を行い、多くの支持者を集めました。この活動は、リハビリ医療に対する社会的な理解を深めると同時に、患者の権利を守るために必要不可欠なものでした。
最新技術への取り組み
今では、道免教授はリハビリテーションの未来を見据え、ロボット技術やVR(バーチャルリアリティ)を用いた最先端の研究にも従事しています。これらの技術は、患者が楽しみながらリハビリを行える環境を提供し、精神面でも支援します。
昨年、道免教授自身もパーキンソン病と診断され、今後の健康を見据えた新たな挑戦を始めています。自身の身体の変化を冷静に分析しながら、リハビリの重要性を改めて認識しています。彼は「リハビリは創意工夫をしながら、目標にたどり着くためのステップを考えていく。その過程がとても楽しい」と語ります。
結びに
道免教授の挑戦は、リハビリテーション医学だけではなく、患者自身の意志や希望を無限に広げるものです。これからも彼の活動から目が離せません。新たに発見される可能性や治療法が、どのように患者の未来を豊かにしていくのか、私たちもその歩みを見守り続けたいと思います。興味のある方は、ぜひ『DOCTOR'S MAGAZINE』を手に取ってみてください。