英語能の新たな試み:『オッペンハイマー』と『青い月のメンフィス』
日本の伝統文化である能を、英語で表現し、海外にその魅力を届ける試みが進んでいます。この度、早稲田大学と米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)が協力し、2025年8月に英語能の新作『オッペンハイマー』と再演『青い月のメンフィス』を上演することが決定しました。舞台は、東京都品川区の喜多能楽堂です。
英語能『オッペンハイマー』の革新性
新作『オッペンハイマー』は、シドニー大学のAllan Marett氏が手掛けた作品です。この作品は、原子爆弾の開発をリードしたロバート・オッペンハイマーの苦悩と悔悟を描いています。彼の行為がもたらした悲惨な結果と向き合い、因果の法則から逃れられない彼の心情を表現するため、禅の公案「百丈野狐」を取り入れています。公演は、広島と長崎への原爆投下の日に合わせて行われ、平和への願いを込めた深いメッセージが込められています。
再演『青い月のメンフィス』の魅力
一方、再演となる『青い月のメンフィス』は、アメリカ人劇作家Deborah Brevoort氏による作品です。エルヴィス・プレスリーをモチーフに、彼の命日に聖地を訪れるファンが、青い月のもとでエルヴィスの亡霊に出会う物語が展開します。この作品はデニム素材の衣装やエルヴィスを模した能面を用い、夢幻的な雰囲気を醸し出しています。また、エルヴィスのヒットソングも謡に取り入れられており、英語能の新たな可能性が感じられる内容です。
公演の詳細
公演は2025年8月6日から9日まで行われ、『オッペンハイマー』は8月6日と9日に、再演『青い月のメンフィス』は8月7日と8日に上演されます。すべての演目は日本語と英語、さらにフランス語を交えた形で.performされ、国際的な観客に向けたプログラムとなっています。
- 『オッペンハイマー』: 8/6(水)18:30、8/9(土)14:00
- 『青い月のメンフィス』: 8/7(木)18:30、8/8(金)18:30
- - 会場: 喜多能楽堂
- - 観覧料: 各回3,000円、または5,000円(台本・冊子付)
- - 主催: UCLA-早稲田大学 柳井イニシアティブ、シアター能楽
このように、英語能の新たな試みが進化し、幅広い観客に楽しんでもらえる形で継承されていくことが期待されます。メディアや関係者の皆様には、ぜひこの独創的な公演を注目していただきたいです。
公演に先立ち、6月2日にメディア発表会が開催される予定です。チケットは、早稲田大学の柳井イニシアティブのウェブサイトから購入可能です。詳細はリンクにて確認できます。