三省堂が選ぶ新語ベスト10発表！注目の言葉が続々登場

2025年12月3日、東京・千代田区に本社を構える三省堂は「今年の新語2025」のベスト10を発表しました。今年の新語は、一般公募に基づき、応募総数は2378件、1922語が寄せられた中から選ばれました。選考委員たちが厳密に審査を行い、多くの人々に影響を与えた言葉を選出した結果、以下の作品が注目されました。

大賞：ビジュ

大賞に輝いたのは「ビジュ」。これは「ビジュアル」の略で、見た目や外見を意味します。以前から使われていた表現ですが、ダンスボーカルグループM!LKの楽曲「イイじゃん」における歌詞が大きな影響を及ぼし、今年、一気に広まりました。この言葉は、アイドルの外見だけでなく、子ども、年配の方、さらにはペットや食べ物など、様々なものに関連付けられるようになりました。「誰だって輝く容姿を持っている」という新しい視点を提供するこの言葉は、多くの人々に共感され、大賞に選ばれました。

2位：オールドメディア

次に注目の言葉が「オールドメディア」。従来の新聞や雑誌、放送などのメディアを指すこの言葉は、SNSなどの新しいメディアと比較され、特に批判的な文脈で使われるようになっています。この言葉が示すのは、SNSの台頭によって見えてきた「オールドメディア」の存在意義と独自性です。社会全体が変化する中でメディアが果たすべき役割も問われています。

3位：えっほえっほ

3位には「えっほえっほ」がランクイン。これは、物を運ぶ際や走る時に使われる掛け声としてネット上でのミームから人気を集めました。今では絵本などで目にする機会も多く、語彙としての価値が再認識されています。

4位：しゃばい

「しゃばい」は、1980年代から使用されている言葉ですが、最近新たな意味合いが付加されて流行しています。主に、「ださい」や「かっこ悪い」という意味で用いられます。このように、古い言葉でも新しい意味を帯びることで、時代とともに変化することが見て取れます。

5位：権力勾配

5位に選ばれた「権力勾配」は、権力の違いを示す言葉で、最近では新聞やSNSで目にする機会が増えています。この言葉によって、人間関係の非対称性や権力のかたよりが可視化されました。

6位：男消し

6位には「男消し」がランクイン。これは、報道文における男女の不均等な扱いを指摘し、特に加害者の男性性別が記されずに報道される現象を表す言葉です。

7位：共連れ

「共連れ」はオートロックのマンションにおいて、認可のない人が住人と一緒に入る行為を指す言葉で、特に犯罪と結びついた事例から一般にも広まりました。

8位：体験格差

子どもがさまざまな体験を享受できる機会の格差を示す「体験格差」は、親の経済状況によって子どもに与えられる機会に差が生じることを指摘した言葉です。

9位：夏詣

最近話題になった「夏詣」は、初詣に対する夏のお参りを意味し、浅草神社由来の言葉として近年広がりを見せています。

10位：緊急銃猟

「緊急銃猟」は、熊やイノシシの害獣が人々の生活圏に侵入した際に行われる急な銃猟を示す言葉で、安全を確保するために規制が整備された結果です。

別途、惜しくも選外となった『今これ』『チャッピー』『取適法』なども注目された言葉でしたが、選考委員が選んだベスト10には及びませんでした。このように三省堂が選定した新語は、今後の辞書に載る可能性を秘めた重要な言葉たちです。今年の新語の発表は、2025年の社会や言葉の動向を映し出す貴重な記録として、多くの人々に影響を与えることでしょう。是非これらの言葉を耳にした際には、その背景や使い方にも注目してみてください。