都市と自然の未来を描く『Nikken Green Journey』発売

『Nikken Green Journey』が切り開く都市と自然の未来

2025年12月15日、株式会社アクシスはデザイン誌『AXIS』の特別号『Nikken Green Journey 日建設計都市と自然の未来を描く』を発行しました。この書籍は、近年深刻化している地球温暖化や自然災害、生物多様性の損失に直面し、私たちが自然との関係を見直す必要性を提起します。日建設計における「みどりの復興」とは、自然共生型の都市ビジョンや、持続可能な未来を形成するための戦略についての多角的アプローチを指します。

地球環境問題への問いかけ

地球に住まう私たちは、今こそ都市と自然の調和を模索する時期に来ています。日建設計は、さまざまな専門家との対話を通じて、具体的なビジョンを探り続けています。本書では、有識者との交流や世界各地の成功事例をもとにしたランドスケープデザインの思想に迫ります。これらの知見を駆使し、未来に向けて実現可能なモデルを提案しています。

鼎談：なぜ今、都市とみどりの未来を考えるのか

本書の重要なセクションの一つが、鼎談「なぜ今、都市とみどりの未来を考えるのか」です。京都府立大学の松田法子准教授と、日建設計のランドスケープデザイングループから小松良朗、金香昌治の3名が語り合います。彼らは、緑地の重要性を認識し、都市に緑を取り戻すために求められる視点や動き方について議論を深めます。

緑の取り戻し戦略

本書では、都市における「みどりの取り戻し方」として四つの戦略を提案しています。
1. 建築との融合: 日本の都市部における緑地面積の不足を解消するため、建築とランドスケープを融合させた新たな方法論が紹介されています。
2. POPS（民有公共空間）の活用: アメリカでの成功事例を基に、民間が所有するオープンスペースをつなぎ合わせることで、都市の緑を繋げていくアプローチです。
3. 官民連携: 国や地方自治体の公園を再活用し、民間資本を取り入れることで、公園の価値向上を図る戦略です。
4. インフラの再生: 経済成長期に建設された老朽化したインフラを再生し、持続可能な社会のための「グリーンインフラ」と位置付けることにより、緑の拡張を目指します。