デザインの未来を切り開くヒアリング力の重要性を考える

デザインの未来を切り開くヒアリング力の重要性

最近のデザイン業界は、技術革新や市場の変化に伴い、大きな転換期を迎えています。特に、オンラインツールやテンプレートを活用することで、「速さ」や「低コスト」を重視したデザイン制作が普及しています。しかし、その影響でデザインの質が揺らぎ、コンセプトや顧客の思いを正確に反映するためのヒアリング力がますます重要視されてきています。

株式会社マイナビ出版は、2025年11月21日に新刊『デザインはヒアリングからはじまる』を発売します。この本は、デザインプロジェクトのスムーズな進行に必要なヒアリング力を実践的に高めるための手引きです。

ヒアリングの失敗が招くデザインの質の低下

新型コロナウイルスの影響で、多くの人が未経験からデザインに挑むようになりました。フリーランスやインハウスで活動するデザイナーは、クライアントとのコミュニケーションが鍵を握っています。しかし、ヒアリングが不十分なまま制作に入ることで、さまざまなトラブルが発生しがちです。

最も多い問題が「イメージと違う」「やり直しが多い」「追加コストが発生する」などです。これでは、デザインの質が低下し、クライアントの信頼も損なわれてしまいます。そのため、デザイナーはヒアリング力を真剣に磨く必要性が高まっているのです。

現代のデザイン制作における「速さ」と「低コスト」の課題

ここ数年で、ロゴやウェブサイトを数クリックで簡単に作成することができる時代になりました。こうした便利さが広がる中、デザインの本質が失われるリスクも増しています。特に、「速さ」や「コスト削減」が重視されるため、充分なコミュニケーションが不足してしまう傾向があります。この結果、企業やブランドの「個性」を十分に表現することが難しくなっているのです。

そのため、今こそ対話の重要性を再認識し、じっくりコミュニケーションを取る姿勢が求められています。

ヒアリングこそ未来の投資

AI技術の進化により、デザインの迅速な制作が可能になりましたが、「形を整える」だけでは限界があります。コンセプトの背景や目的を理解せずに作業を進めると、手直しが必要になり、最終的には時間とコストが上がる結果になりかねません。初めのヒアリングでしっかりとした対話ができれば、その後のプロセスがスムーズに進みます。つまり、ヒアリングは「余分なコスト」ではなく、未来の無駄を減らすための投資であると言えるのです。

ビジネスパーソン全般に必要なヒアリング力

ヒアリング力はデザイナーだけでなく、ビジネスパーソン全体に必要なスキルです。プロジェクトが予定通り進まない原因の一つとして、50%に近い企業が「計画時の考慮不足」を指摘しています。円滑なプロジェクト運営には、適切なヒアリングが必要不可欠なのです。

発売記念イベントの開催予定

『デザインはヒアリングからはじまる』の発売を記念して、2026年1月24日(土)に特別イベントが開催されます。ヒアリングテクニックを学ぶセミナーや、著者の佐野さんと仕事例を紹介するコーナーも予定されています。参加費は書籍代込みで5,000円（税込）、先着80名限定ですので、興味がある方は早めのご応募をおすすめします。