谷川俊太郎と西加奈子の詩的対話
2025年12月15日に、詩人として名高い谷川俊太郎さんと直木賞作家である西加奈子さんによる新たな詩集『すきがいっぱい』が発刊される。これは、互いに詩を贈り合う形式で、二人の温かな言葉のやり取りを通じて、詩という芸術の力を再確認できる一冊となる。
この詩集は、保育雑誌『PriPri』での連載「詩のこだま」をベースにしており、2022年5月号から始まり、2024年8月号まで2年以上にわたって継続された。シリーズの裏テーマは、幼いころに言葉に初めて触れる子どもたちがそれを声に出して楽しむこと、そしてその言葉が大人の心にも響くというものだ。子どもたちにとっては新たな言葉との出会いを、大人には心の琴線に触れるような深い感動を与えてくれる。
谷川さんが逝去された2024年11月に、彼が子どもたちへ向けて綴った最後の詩「すき」があり、そしてその詩に対する西加奈子さんからの返歌として「すきが いっぱい」という作品が書き下ろされた。この二つの詩が共演し、詩集のタイトルが誕生した。子どもから大人まで、あらゆる世代に愛される内容だ間違いなしだ。
子どもにも、大人にも響く詩の魅力
この詩集には、西加奈子さんが特別に描き下ろした挿画も多数収められており、読者は彼女の独自の視点で描かれたビジュアルとともに、詩の世界に浸ることができる。美しい挿画は詩の情景をより魅力的に引き立て、読者を詩の世界へといざなう。さらに、ブックデザインを担当したのは鈴木成一さん。装丁の美しさもこの詩集の魅力の一つである。
この『すきがいっぱい』は、子どもたちが言葉を楽しむ初めての手引きとともに、大人にとっては深い思索や感動を呼び起こす一冊となっている。谷川さんと西さんの温かい言葉のやり取りは、世代を超えて読者に響くことでしょう。
著者プロフィール
谷川 俊太郎(たにかわ しゅんたろう)
詩人として国際的にも知られる谷川俊太郎さんは、1931年に東京で生まれ、1952年に第一詩集を発表。その後も、多くの詩集や翻訳本を手掛けてきた。2024年に逝去するまで、星界の言葉を紡ぎ続けた大詩人であった。
西 加奈子(にし かなこ)
1977年にイラン・テヘランで生まれ、エジプトや大阪で育った西加奈子さんは、2004年にデビューして以来、多くの賞を受賞してきた。最新のノンフィクション作品を執筆し、2023年には高評価を得ている。
発行情報
- - 書名: 『すきがいっぱい』
- - 著者: 谷川俊太郎、西加奈子
- - 発売日: 2025年12月15日
- - 定価: 1,870円(税込)
- - ページ数: 56ページ
- - 出版元: 株式会社世界文化社
詩の力を再発見し、心に残る詩の世界に浸るために、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。