中原昌也とAIの新たな挑戦
日本、ニューヨーク、ミラノに拠点を置くクリエイティブカンパニーのKonelが、現代美術家・宇川直宏氏およびDOMMUNEが主催するプロジェクト「AI中原昌也『声帯で小説を描く!』」に参画したことを発表しました。このプロジェクトは、障害を抱える作家・中原昌也氏のデジタルツインとして「声帯AI」を構築し、2月13日から15日まで開催される「DIG SHIBUYA 2026」での展示を行うものです。
プロジェクトの背景
中原昌也氏は、三島由紀夫賞作家でありミュージシャンとしても知られていますが、3年前に糖尿病の合併症として脳梗塞に倒れ、重度の障害を負いました。その影響で、彼は小説を書くことや楽器を演奏することが困難になりました。これに対して、宇川直宏氏は生成AI技術を駆使し、彼の創造性を新たに引き出すプロジェクトを立ち上げました。
このプロジェクトでは、中原氏自身のデジタルツインである「声帯AI中原昌也」と音声で対話しながら新作小説を共作することが目的とされています。文字を「書く」のではなく、物語を「描く」という新しい創作手法への挑戦です。
参画の意義
Konelは、このプロジェクトを通じてテクノロジーによる身体性の拡張と新しい創作の可能性を探ります。プロジェクトの総合プロデューサーである宇川直宏氏は、「重度の障がいを持つ作家にとって、AIとの対話を通じて新たな創作の扉を開くことができる」とコメントしています。
プロジェクトの実施内容
プロジェクトでは、以下の7つの作品の発表が予定されています。
1.
インスタレーション作品 - 中原昌也の著作を基にした声帯AIのインスタレーションが「DIG SHIBUYA」で展示され、来場者はAIと共に対話しながら小説を作成できます。
2.
新作小説 - 中原昌也本人と声帯AIとの共作による新作小説が文藝誌に掲載されます。
3.
ドキュメンタリー映像作品 - プロジェクトの進行を記録したドキュメンタリーも制作されます。
4.
アニメーション作品 - 新作小説がアニメ化され、AI技術が駆使されます。
5.
トークセッション - AI研究者やアート界の第一人者とのトークセッションが行われ、知識の共有が図られます。
6.
ワークショップ - 来場者がAIと共に小説と映像を共同制作できるワークショップも展開されます。
7.
劇場映画化 - プロジェクトの成果を基にした劇場映画制作の企画も進行中です。
スケジュール
このプロジェクトの一環として、2026年2月13日から15日まで、渋谷パルコで「DIG SHIBUYA」が開催されます。会場ではインスタレーション展示やワークショップが行われ、AI中原昌也との共作がリアルに体験できます。詳細は公式サイトをご覧ください。
まとめ
中原昌也氏と声帯AIの共作プロジェクトは、単なる創作の枠を超え、テクノロジーが障害を持つアーティストの表現の幅を広げる試みです。“書く”ことから“描く”ことへのシフトは、今後の文学やアートの進化に大きな影響を与えることでしょう。