メイクの楽しさと大切さを学ぶ授業
昨年12月、ヘア&メイクアップアーティストのイガリシノブさんが渋谷区立広尾中学校での特別授業を担当した。日本テレビ『news every.』でもこの授業が取り上げられ、話題になっています。中学3年生の生徒64名を対象にしたこの授業では、「メ育(包括的メイクアップ教育)」がテーマ。
メイク教育の目的とは
メイク教育の目的は、ただメイクの技術を教えることに留まりません。イガリシノブさんは、生徒たちが自分自身を大切にし、メイクを通して自分らしさを表現することの重要性を強調しました。メイクを学ぶことで、自己肯定感や自信を育むことができるのです。
授業の始まりでは、なぜ大人たちがメイクをするのか、どんな場面でメイクが必要になるのか、一緒に考える時間を設けました。生徒たちがメイクのメリットやデメリットについて意見を交わし、それに基づいてメイクがもたらす心理的影響や文化的背景、倫理的側面に関する理解を深めました。
実技を通じてメイクを体験
授業の中では、実技も行われました。メイクにあまり触れたことのない生徒たちも、メイク興味を持つ生徒たちと共に、男女を問わず自分の顔を使ってタッチアップに挑戦しました。たとえば、UVクリームを使った紫外線対策や、赤リップを用いた印象のアップ方法、リキッドアイライナーの使い方など、楽しみながらメイクの技巧を学びました。
また、メイク後には正しいメイク落としの方法についても指導がありました。「メイクをしたらメイク落としも必須」という意識が根付くことが大事だと指摘され、子どもたちにとっての新たなルールを伝えました。実際に体験することで、自分のことだけでなく周囲にも配慮できるような心を育てる狙いがあります。
親としての視点からサポート
今回の授業では、親世代からのサポートが重要であるとイガリシノブさんは語ります。メイクに興味を持つ子供たちをどう見守るべきか、親たちの不安を解消するためのアドバイスも行いました。「子どもたちのやる気を否定せず、正しい知識を持たせることが大事」と、親としての目線を大切にした視点から、メイクの楽しさと自己表現の素晴らしさを伝えました。
イガリシノブさんの教え
イガリシノブさん自身も2人の子どもを持つお母さんであり、特に小学生からメイクに興味を抱く子どもたちへの指導には熱意を持っています。SNSや動画を参考にする若い世代が誤ったメイクの知識を持つことがないよう、具体的なメイクのルールとその楽しみ方を教えていきたいと考えています。
「メイクの魔法」とは、人それぞれの個性を引き出すものであり、自信を持つきっかけにもなります。心の持ちようや、他人の良い点を見つける力を養うことで、子どもたちの成長を促す一環となります。
まとめ
イガリシノブさんのメイク教育は、単なる技術指導を超え、個性や自信を育むための重要な要素が含まれています。自身の成長だけでなく、周囲の他者とのつながりを深め、自分を表現する素晴らしさを学べるこの「メ育」の授業は、今後も広がっていくことが期待されます。渋谷区から新たなメイク教育の実践が進む中、イガリシノブさんは、これからの子どもたちを応援し続けたいと語っています。