キヤノンの新CINE-SERVOレンズ、最小重量と最広角の革新を実現
キヤノンが新たに発表したシネマレンズ「CINE-SERVOレンズ」が、映像制作の現場に革新をもたらす。2025年11月下旬に発売予定の新製品、「CN5x11 IAS T/R1」および「CN5x11 IAS T/P1」は、特筆すべき点が多数詰まっている。
超広角11mm で新しい映像表現を
新製品の目玉は、シネマレンズシリーズとしては最も広角な焦点距離11mmを実現していることだ。この焦点距離は、特にスポーツやコンサートなど、カメラが使用する位置が限定される現場においても、広視野角を提供しながらシネマティックな印象を与える映像表現を可能にする。
従来の放送用広角レンズでは難しかった被写界深度の浅い描写も可能で、結果としてその奥行き感が強調される。また、スーパー35mmセンサーに対応するだけでなく、内蔵の1.5倍エクステンダーを使用することで、35mmフルサイズセンサーとの互換性も持っている。これによって、大判センサーを搭載したカメラとの連携もスムーズに行える。
8K対応の高性能光学系
キヤノンの先進的な光学技術を注ぎ込み、ズーム全域で8Kカメラに対応する優れた光学性能を誇る。画面中心から周辺まで均一な画質を提供し、特に肌の色の再現性にもこだわった暖色系のカラーバランスが特徴だ。これにより、柔らかいボケ味を持つ映像を得やすく、印象に残る作品作りに貢献する。さらに、「CN5x11 IAS T/R1」はRFマウント通信により、キヤノンのバーチャルプロダクションシステムとも連携可能。これにより、撮影現場だけでなく、ポストプロダクション作業の効率化も図れる。
最軽量の機動性と操作性
新CINE-SERVOレンズは、シリーズ全体の中で最軽量という特性も持っている。「CN5x11 IAS T/R1」は約3.01kg、「CN5x11 IAS T/P1」は約2.92kg。軽量設計により、クレーンやワイヤーカムを活用した撮影でもスムーズに取り扱うことができる。エルゴノミック・デザインにより、肩に担いでの長時間撮影も快適だ。また、取り外し可能なドライブユニット「e-Xs V」を装備しており、放送スタイルでのサーボ操作とシネマスタイルでのフルマニュアル操作を自由に切り替えられる。
まとめ
新しい「CINE-SERVOレンズ」は、映像制作の様々なニーズに応えるために、広角性能、光学性能、機動性において優れた特性を備えている。新製品はすべての映像制作現場において、特にライブ撮影や映画制作など多岐にわたるシーンでの活用が期待されており、キヤノンはその技術力でさらなる映像表現の可能性を追求していく。