稲積陽菜、研究と音楽の新たな融合を目指すリサイタル開催
ピアニスト稲積陽菜が、慶應義塾大学大学院に進学するのに合わせて、ヤマハの「Disklavier ™︎」を用いた特別なリサイタルを開催します。このリサイタルは、「演奏と感情の科学」をテーマにしたもので、従来のコンサートとは異なる新たなアプローチが注目を集めています。
演奏と研究の境界を越える
稲積陽菜は、桐朋学園大学音楽部門に特待生として在籍し、日本音楽コンクールピアノ部門での第2位を獲得、日本ショパンコンクールでは第1位という輝かしい実績を持っています。また、ポーランドでのショパン国際ピアノコンクールにも挑戦し、その才能を国内外で広く認知されています。今回のリサイタルは、彼女が演奏者であり研究者としての視点を交差させる特別な機会となります。
稲積は、2026年4月から慶應義塾大学大学院に進学し、「奏者の感情的関与が聴衆の感情喚起に及ぼす影響」をテーマに、ディスクラビアを使った実証研究に取り組む予定です。リサイタルでは、このディスクラビアを使って、演奏者の感情がどのように聴衆に伝わるのかを探求する試みを行います。これにより、音楽と科学が一体となる新たな舞台を開くことが期待されています。
ヤマハが支える「科学するリサイタル」
「Disklavier」は、演奏者の鍵盤やペダルの操作を高精度で記録・再現できるシステムです。今回のリサイタルは、ヤマハの協力のもと、稲積がこの楽器を駆使し、感情を数値として記録する新たな試みの第一歩と位置づけられています。このリサイタルは、聴衆がただの観客ではなく、「研究協力者」として参加するという新しい形に仕上がっています。
選曲に見る伝統と未知
今回のプログラムは、稲積の演奏者としての新たな挑戦が表現されています。前半では、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンといった古典的な作品が演奏され、後半にはボルトキエヴィチやリャードフ、モンポウなどあまり知られていない作曲家の楽曲も取り入れられます。この選曲は、「伝統の継承、未知への探求」をテーマに、聴衆との共鳴を楽しむリサイタルとなることでしょう。
知の架け橋としての公演
稲積は、4歳からピアノを学び数多くのコンクールで高い評価を受けてきました。本公演は、彼女の演奏家としてのキャリアと、研究者としての新たな挑戦をつなぐ架け橋となることが期待されています。演奏者の感情がどのように聴衆に伝わるのか、その未知なる探求が今、始まろうとしています。
プログラム詳細
リサイタルには2つのプログラムが用意されています。次のような楽曲が演奏されます。
プログラムA
- - J.S.バッハ:イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV 971
- - モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第18番 KV576
- - ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
- - ラヴェル:ボロディン風に, シャブリエ風に M.63
- - アルベニス:《イベリア》第2巻より 第6曲「トュリアーナ」
- - ボルトキエヴィチ:リリカ・ノーヴァ Op.59
- - リャードフ:小さなワルツ Op.26
- - スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番嬰ト短調「幻想ソナタ」
プログラムB
- - J.S.バッハ:イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV 971
- - ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第28番 イ長調 Op.101
- - モンポウ:郊外
- - アルベニス:《イベリア》第2巻より 第6曲「トュリアーナ」
- - M.レヴィツキ:アラベスク・ヴァルサンテ Op.6
- - リャードフ:小さなワルツ Op.26
- - スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番嬰ト短調「幻想ソナタ」Op.19
公演概要
- - 京都公演: 2025年11月28日(金) 18:15開場/19:00開演
- - 名古屋公演: 2025年12月21日(日) 14:30開場/15:00開演
- - 仙台公演: 2026年1月11日(日) 14:30開場/15:00開演
- - 東京公演: 2026年1月25日(日) 18:15開場/19:00開演
チケット情報は、イープラスおよびテケトにてご確認ください。稲積陽菜の新たな挑戦を、ぜひ生で体感してください。