横浜能楽堂150周年を記念した特別公演「天神さまの芸能」
横浜能楽堂の本舞台は2025年に創建150周年を迎え、その記念イベントとして企画公演「天神さまの芸能」が11月に港南区民文化センター ひまわりの郷で行われます。この公演は、菅原道真公にちなんだ“天神伝説”をテーマに、落語や舞囃子、素浄瑠璃など多彩な古典芸能を楽しむことができます。
演目と出演者について
公演の冒頭には、太宰府天満宮宮司の西高辻信宏氏による特別講話『菅原道真公と天神伝説』が行われます。道真公にゆかりのある土地でのこの講話は、参加者にとって大変貴重な機会です。
次に、落語家の瀧川鯉昇が登場し、話題の「質屋庫」を披露します。彼は古典落語を新たな視点で解釈し、独自の演出で観客を楽しませる腕前で知られています。
続いて、素浄瑠璃では竹本錣太夫が登壇し、竹澤宗助の三味線に合わせて「菅原伝授手習鑑」の天拝山の段を演じます。この作品は日本の古典演芸の真髄を感じられる機会です。
最後は、舞囃子の「来殿」が上演されます。人間国宝である大坪喜美雄がシテを務め、その優雅な舞姿が観客を魅了します。演目に参加するのは、藤田貴寛、小鼓の森澤勇司といった名手たちで、息の合ったパフォーマンスが期待されています。
港南区と天神信仰
横浜市港南区は、菅原道真公が信仰の対象となった重要な地です。道真公が大宰府に左遷されて以降、雷神・天神として崇敬されてきた歴史は、能や歌舞伎、落語などに数多くの作品を生み出しました。地域には、道真公の五男、淳茂の伝承や、道真公自作の希少な木像が祀られる永谷天満宮が存在し、信仰が息づいています。
横浜能楽堂本舞台の設立に由来する特別なこのイベントは、道真公の没後960年にあたる1852年に関わるエピソードとも深い関係があります。明治8年に創建された横浜能楽堂本舞台の鏡板には、道真公のシンボルである白梅が描かれており、その存在が地域の文化や伝統にいかに根付いているかを物語っています。
チケット情報
公演「天神さまの芸能」は、2025年11月29日(土)14:00開演(13:30開場)で開催されます。チケットは好評販売中で、全席指定4,000円で購入可能です。興味がある方は、横浜能楽堂の公式ウェブサイト、港南区民文化センター、カンフェティなどを通じてお求めください。
「天神さまの芸能」は、古典芸能に興味を持つ方や新たな文化体験を求める方々にもおすすめの公演です。ぜひ、この貴重な機会をお見逃しなく!