『小説野性時代』10月号 最新内容紹介
月刊文芸小説誌『小説野性時代』の2025年10月号が、9月25日から配信開始されました。今回の号は注目の新作や感動的な最終回が揃っており、読者を飽きさせることがありません。特に、相沢沙呼の新作『昇る遺体』と似鳥鶏の『残されたフィーネ』が読切作品として登場し、多くの話題を集めています。
注目の読切作品
相沢沙呼『昇る遺体』
この物語は、兄が殺人事件の重要参考人として警察に呼ばれるという衝撃の設定から始まります。妹の藍莉は、名探偵・暁玄十朗と組んでこの謎に立ち向かうことに。緊張感溢れるストーリー展開と鮮やかな謎解きが光る新作ミステリです。相沢の独特の視点と情熱が生き生きと描かれており、読者はページをめくる手が止まらなくなるでしょう。
似鳥鶏『残されたフィーネ』
こちらは小説家が「効率化」のために行った斬新な手法にスポットライトを当てた読切です。「ルール無用の実験小説集」として知られる『小説の小説』シリーズの新作で、独特の視点から創作について深く掘り下げています。これは単なる物語ではなく、創作そのものを考えさせられる作品となっています。
終わりを迎える二つの物語
安壇美緒『イオラのことを誰も知らない』
最終回を迎えるこの作品では、手にした光の中に隠された真実が問いかけられます。「イオラ事件」と呼ばれる一連の出来事に影響された登場人物たちの思いが交錯し、衝撃の結末が待っています。読者は、感情移入しながらその終焉を見守ることになるでしょう。
藤岡陽子『青のナースシューズ』
成道の高校生活が最終学年に突入し、様々な選択の葛藤が描かれるこの作品も最終回です。家族と学業との間で揺れ動く彼の心情は、読み手に深い感動をもたらすことでしょう。過去最大の危機を乗り越える彼の姿は、涙を誘う素晴らしい結末を迎えます。
おすすめ連載作品
ここでご紹介するのは、安部若菜の『描いた未来に君はいない』です。大阪から転校生としてやってきた奈海と、彼女のために小説を書く大和の物語が進行中です。文化祭の準備に取り組む中で感じる距離感が、彼女との関係に新たな変化をもたらすことに期待が寄せられています。
また、恩田陸の『産土ヘイズ』も見逃せません。「KYOMU」をテーマに、令和の時代に蘇るミステリの神話が展開されていきます。この作品も気になるところです。
書誌情報
『小説野性時代』の今号は、電子版として配信されており、毎月25日に新号が登場します。定価は385円で、KADOKAWAのオフィシャルサイトや各種サイトでも配信されているため、興味のある方はぜひチェックしてみてください。新しいストーリーとの出会いがあなたを待っています。