現代サーカスの極み、『DADDA 2025横浜版』がKAATで上演
日本の現代サーカス界を牽引する瀬戸内サーカスファクトリーが、注目の新作『DADDA 2025横浜版』をKAAT神奈川芸術劇場で披露します。2025年12月にワークインプログレス版として初めての公開を迎えるこの作品は、芥川龍之介の短編小説「蜘蛛の糸」がテーマ。
作品の背景とテーマ
「善」と「悪」、そして人間の業を描いた本作は、言葉を用いず身体の表現力で観客の心に問いかけます。「善人」と「悪人」についての探求は、一人ひとりの内面に響き渡り、静かに揺さぶります。サーカスという形式を通じて、サバイバルの本質をみつめ、私たちの内に潜む感情を呼び覚ます挑戦がなされます。
身体と空間の表現
『DADDA』は、競争や嫉妬といった人間の本質を、空間の中での身体表現を通じて描きます。舞台上で交錯する重力と無重力、生と死、光と影のテーマをもとに、阿吽の呼吸のように映し出されるのは、裁きや救いの姿。本作は、ただのサーカスではなく、観客に深いメッセージを伝える力強い表現を目指しています。
瀬戸内サーカスファクトリーの挑戦
この作品の演出を手がけるのは、同団体の代表である田中未知子。彼女の演出は、地域の環境や文化と密接に関連しながら14年間続けられてきたサイトスペシフィック創作の成果です。田中は観客に「蜘蛛の糸」についての新たな視点を提供し、天と地をつなぐ糸が提示する「裁き」や「赦し」がどのようなものか、観る者として体験させてくれるでしょう。
国境を越えた共同製作
『DADDA』の制作には、フランスの現代サーカス界で高い技術力を持つCie Basingaも参加しています。この国際共同制作は、サーカスアートの新たな地平を切り開くもので、国や文化を越えた体験が『DADDA』の中に込められています。身体にある言語がどのように交わるか、観客はこの新たな探求に触れることでしょう。
公演の詳細
公演は、2025年12月5日から7日までの3日間、KAAT神奈川芸術劇場の大スタジオにて行われます。開演を30分前に控え、初日の公演後にはアフタートークも予定されています。チケットは前売4,000円、当日4,500円というお手頃価格で手に入るので、ぜひご覧ください。
まとめ
現代サーカス『DADDA 2025横浜版』は、身体の表現を通じて観客に新たな価値観を提案する作品であり、芥川龍之介の文学を映し出す新しい舞台を楽しむことができます。この「見たことのない世界」に触れて、心に残る体験をぜひ味わってください。詳細な情報は公式ウェブサイトをご訪問ください。