『BUTTER』全世界累計100万部突破!
柚木麻子の小説『BUTTER』が、ついに全世界での累計発行部数が100万部を超えました。この傑作は、読者の心に響く感情的な真実を描いており、37ヵ国での翻訳出版も決定しています。その中でも、特にイギリス国内での評価が高まり、数々の賞を受賞しています。
イギリス版、驚異の3冠達成
『BUTTER』のイギリス版は、翻訳者ポリー・バートンの手によって、4th Estateから2014年に刊行されました。発行から1年半で、なんと45万部の大ヒットを記録しており、次々に賞を受賞しています。具体的には、以下の授賞歴があります。
- - Books Are My Bag Readers Awards 2024:読者が選出する賞でのBreakthrough Author受賞
- - Waterstones Book of the Year 2024:翻訳小説が受賞するのは極めて珍しく、しかも日本人として初の快挙
- - The British Book Awards 2025:Debut Fiction部門受賞
このように、『BUTTER』はイギリスの書店で大々的に展開され、バターナイフやキャンドルなどのオリジナルノベルティも人気を博しています。
作品の背景と内容
作品の主人公「カジマナ」こと梶井真奈子は、男性の財産を奪い、さらには彼らを殺害したとして拘置所に収監されています。物語は、週刊誌記者の町田里佳が梶井と面会するところから始まります。梶井は、厳しい男性社会や自らの身体的なルッキズムに疑義を唱え、彼女の生き方を通じて里佳の価値観を変えていくのです。
この小説は、全ての人が自分自身をケアし、連帯を深める重要性を訴える内容となっています。恐れや疑念から抜け出し、自己を見つめ直すことの大切さを語っているのです。
グローバルな反響
『BUTTER』はイギリスだけでなく、世界中から絶賛されています。イングリッシュ・エージェンシーの社長、ハミッシュ・マカスキル氏は、「本の中には特別な本があり、『BUTTER』はその一つ」と評価。イギリスの翻訳者ポリー・バートン氏も多くの読者に影響を与えている様子を伝えています。この作品は、New York TimesやWashington Post、New Yorkerなど多くの名だたるメディアに取り上げられ、アメリカの出版社もその成功に興奮しています。
作者の思い
著者・柚木麻子さんは、100万部突破の際に「『BUTTER』を読んでくれた皆さんが、たくさんのバターを躊躇なくパンに塗れる、そんな社会でありますように」とコメントを寄せました。この作品は、ただの小説ではなく、現代社会に鋭い視点を与えてくれる存在なのです。人間の本質に訴えかけ、様々な価値観を問い直す『BUTTER』。今後のさらなる旋風を期待せずにはいられません。
著者紹介
柚木麻子は1981年東京生まれ。2008年に『フォーゲットミー、ノットブルー』でオール讀物新人賞を受賞し、2010年には『終点のあの子』でデビュー。『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞するなど、数々の成功を収めています。彼女の才能が光る作品群から、これからも目が離せません。