HYBE、第3四半期の売上が新記録を達成
11月10日、HYBEは2025年第3四半期の決算を発表し、その内容が業界で注目を集めています。特に、今回の四半期売上は前年同期比で37.8%増加し、733億ウォン(約774億円)を記録しました。この数字は、前年の最高売上を上回るものであり、HYBEの成長をより明確に示す結果となりました。累計売上が約1兆9,300億ウォン(約2,055億円)に達し、2兆ウォンに目前です。
ワールドツアーが支える成長
HYBEの売上増加は、主にアーティストのワールドツアーに起因しています。BTSのJINをはじめ、TOMORROW X TOGETHERやENHYPENが行った大規模公演はファンからの熱烈な支持を受け、公演セグメントの売上は前年の3倍以上に及ぶ2,450億ウォンを記録しました。全体売上の66%を占める直接参加型の収益において、この公演セグメントが果たす役割は極めて重要です。
しかし、一方で音源及び音盤部門では前年同期比で売上が減少し、1,898億ウォンとなりました。アーティストのカムバックが少なかったことが影響し、こちらは継続的な課題となりそうです。
成長を後押しする多様な戦略
無形資産であるMD(マーチャンダイジング)やライセンシング、コンテンツ、ファンクラブの収益も好調で、2,498億ウォン(前年比22%増)の売上を叩き出しました。特にMDとライセンス収益の成長は目覚ましく、前年同期比で70%増の1,683億ウォンにまで達しました。アーティスト関連のライトスティックやツアー商品が主導しています。
HYBEの戦略、「マルチホーム・マルチジャンル」は、特にKATSEYEという新たなガールグループの成功に現在も寄与しています。KATSEYEの楽曲「Gabriela」はビルボードの「Hot 100」で37位まで上昇し、同グループは第68回グラミー賞での重要ポジションにも進出しました。このように、彼女たちの成長がHYBE全体のシェアを高めています。
KATSEYEの初のグローバルツアーも期待されており、北米13都市での全ての公演が完売に。この成功を受け、HYBE内での新たなグループがオーディションを通じて選抜されており、来春には特別なオーディション番組が公開される予定です。
Weverseと新たなビジネスモデル
HYBEのグローバルファンサービス「Weverse」も好調で、今四半期の累計で黒字転換を達成しました。デジタル会員サービスや新たな広告モデル導入が寄与しました。今後は、中国最大の音楽ストリーミングサービス「QQ Music」と提携し、サービスのさらなる向上を目指します。これにより、アーティストの活動再開が予測されているBTSや他のアーティストの要素も収益増加に寄与する見込みです。
現在の課題と未来の展望
HYBEは第3四半期に422億ウォン(約45億円)の営業損失を記録しました。これは多数の新規グループのデビューによる短期的な収益性の低下や、事業構造の改編に伴う投資が影響したためです。しかし、HYBEのCEOイ・ジェサン氏は、これが中長期的な展望には貢献するとし、BTSの活動再開やK-POPアーティストの成長などを通じて収益モデルを改善していくと述べています。
来年度は、収益性の回復が期待されており、HYBEの基盤も十分にすりあわせが行われる見込みです。これからもHYBEの動向には目が離せません。