アグレコがF1と提携、低炭素エネルギーで2030年までのネットゼロへ

アグレコがF1と提携し、2030年までのネットゼロを目指す

世界的な電力ソリューションプロバイダーであるアグレコ（Aggreko）は、フォーミュラ1（F1）との複数年にわたるパートナーシップを締結しました。この提携により、アグレコはF1の年間スポンサーとなり、日本グランプリ鈴鹿の支援にも乗り出します。

低炭素エネルギー発電システムの導入

アグレコとの提携を通じて、F1は2030年に向けて低炭素エネルギーの利用を拡大します。2025年シーズンからは、すべてのヨーロッパ開催のグランプリで、革新的な発電システムが導入される予定です。このシステムでは、再生可能エネルギー源である加水素処理植物油（HVO）、バイオ燃料、ソーラーパネル、バッテリー蓄電システムを活用し、炭素排出量を大幅に削減します。

実際に、2023年のオーストリアGPでは、従来の大会と比較してパドックやピットレーン、放送エリアにおいて炭素排出量を90％以上削減することに成功しました。これは、持続可能なイベント運営への第一歩と言えるでしょう。2024年には、ハンガリーGPやイタリア・モンツァGPでもシステムの試験運用が行われる予定です。

集中型電力供給システムの利点

アグレコの新しい発電システムが本格導入されることで、F1関係者や各チームはこれまで必要だった個別の発電機を持ち込む必要がなくなります。集中型の電力供給システムのおかげで、各ガレージやモーターホームへの電力供給が一元化され、効率化が図られるのです。さらに、ピットウォールやタイミングルーム、現地の放送オペレーションを行うF1イベント技術センター（ETC）にも電力が供給されることから、現場での個別発電機の数を減らし、輸送時の排出量削減にも寄与します。

F1のESG責任者のコメント

F1のESG（環境・社会・ガバナンス）責任者であるエレン・ジョーンズ氏は、次のように述べています。「F1パドック全体がネットゼロ2030の取り組みに参加しており、低炭素エネルギー発電システムは技術革新と協調的なアクションを融合したものです。このソリューションによって大規模な炭素排出削減が実現できることが証明されました。今後も持続可能なイベント運営に向け努力していきます。」

さらに、AggrekoヨーロッパおよびAggrekoイベントサービスの社長であるロバート・ウェルズ氏も、「私たちはいつでも、どこでも優れた電力ソリューションを提供する実績があります。F1が2030年のネットゼロに向けてAggrekoを選んだことを光栄に思います。持続可能な未来を共に築くための協力を楽しみにしています」とコメントしています。

まとめ

アグレコとF1の提携によって、F1の環境への影響が大きく改善されることが期待されています。持続可能性と技術革新の両立を目指すこの取り組みは、他のスポーツイベントや産業にも大きなインパクトを与えることでしょう。アグレコは1962年に設立され、現在は世界中で持続可能なエネルギーソリューションを提供し続けています。今後の進展にも注目です。