popxが新たなエンタテインメント技術を打ち出す
2024年4月、生まれたばかりのエンターテイメント集団popxが、デジタルツインシミュレーター「Digital Twin Simulator」の実用化を発表しました。代表を務める渡辺大聖と桑原聖が率いるこの組織は、先進の技術を駆使して、エンターテインメントの未来を切り開こうとしています。
デジタルツインシミュレーターとは?
「Digital Twin Simulator」は、プロジェクターや照明、映像、ヒューマンパフォーマンス、Vtuberパフォーマンスなど、多彩な要素を統合的にシミュレートすることを可能にします。この技術を活用することで、演出プランニングやリアルタイムでのプロジェクションシミュレーションが実現し、観客体験を飛躍的に向上させることが期待されています。
特に大きな利点は、様々なパフォーマンスの最適化が可能になる点にあります。事前にデジタル空間上でしっかりとシミュレーションを行うことで、物理的な試行錯誤の回数を減らせるため、コストを大幅に削減しつつ、時間の無駄をなくすことにも寄与します。
現実世界を仮想で再現
デジタルツイン技術は、ミシガン大学のMichael Grieves准教授によって2002年に提唱され、物理的な世界のデータを集め、デジタル空間にその環境を再現するものです。popxが開発した「Digital Twin Simulator」は、この技術を駆使して、リアルなイベントの前にあらゆる要素を確認・調整できる強力なツールとなっています。
機能と特徴
このシミュレーターには、以下の多彩な機能が備わっています。
- - Windowsアプリケーションとして配布
- - 舞台照明や機構をDMX/Artnetなどで制御
- - プログラム化された演出の記録・再現
- - 自由な視点操作によるシミュレーションカメラのスイッチング
- - 4K×2チャンネルの入出力対応
- - 演出シーケンスの同期制御
ハードウェア面では、様々な信号を受信し、各種制御機材を介して演出信号や記録映像の表示・出力を行います。ソフトウェア面では、Unityがメインプラットフォームとして機能します。
popxとは?
popxは、「ULTRA POP EXPERIENCE」をキーワードに、人間の感情と体験を高めるエンターテインメントを生み出すことを使命とするクリエイターギルドです。これにより、さまざまなストーリーやパフォーマンスが調和し、観客に強い感動を与えます。
代表の渡辺は、過去にチームラボでのディレクターやプロダクトエンジニアとしての経験を活かし、数多くの重要なイベントで演出を手掛けた背景があります。また、CEOの桑原は音楽制作のプロフェッショナルとして、アニメやゲームの音楽に精通しており、彼の経験もpopxの根幹を支えています。
未来のエンターテインメントへ
「Digital Twin Simulator」は、高いクオリティが求められるイベント制作において、その価値を大きく向上させるものです。実際に会場で行われる演出の確認や調整が事前に可能となることで、パフォーマーや撮影チームがより優れたクリエイティブを発揮できる環境が整います。
渡辺は、「この技術を使って、エンターテインメントの作り方を変えていきたい」と語り、桑原は「制作チームとパフォーマー全員が高いクリエイティブを発揮できる環境を築くために、このシミュレーターの重要性を感じている」とコメントしています。
popxは、今後も進化し続けるエンターテインメント業界の中で、新たな可能性を模索し、革新を追求していくことでしょう。