朗読劇『富江』の舞台裏に迫る!
2026年1月、伊藤潤二の傑作ホラー漫画『富江』が朗読劇として蘇る。本作は、アニメ専門チャンネル「アニマックス」が主催し、NTTドコモとの共催で行われる期待の高い公演。今回は、その稽古場からの様子や出演者インタビューをお伝えする。
稽古場レポート
2023年12月の稽古場には、こみ上げる緊張感と共に台詞を練習する演者たちの声が響いていた。役を演じるのは、富江役・中村アヤカの佐倉薫、保子役・高森奈津美、光夫役・野津山幸宏、リョウ役・高塚智人の4名。それぞれがキャラクターに魂を込め、作品の雰囲気をまさに体現していた。特に印象的だったのは、稽古の中で展開されるセリフとその背後にある葛藤、キャラクター同士の緊迫したやり取りだ。
印象的なシーンとして、リョウが過去を保子に語る場面があり、高塚は感情が高まり、自らの声を震わせる姿勢がリアルだった。それに対して高森も息遣いを感じさせ、観客にその緊張感をダイレクトに届ける様子は圧巻だった。このように、演者たちの熱演は物語の世界観を生き生きと描き出していた。
また、稽古の合間に野津山がさりげなく佐倉や高森に声をかけ、雰囲気が和らぐ場面もあり、役者同士の絆の強さを感じさせた。そんな中でも、演技の合間にキャラクターに対する思いを語る姿は、彼らの日々の努力が実を結ぶ瞬間を切り取っているように思えた。
出演者座談会
朗読劇のキャストとして集まった佐倉、 高森、野津山、高塚、村上ロックが、本舞台に望む意気込みや心境を語り合った。そこで話題に登ったのは、各自が感じる『富江』の魅力や、演じる役に対する思いだ。
佐倉は、「富江役を演じることができて本当に光栄です。私は彼女とは真逆の性格なので、そのギャップを楽しみながら演じたいと思います」と語る。高森も、「保子は富江に振り回される役なので、彼女の人生を反映するような演技を心掛けています」と続けた。
野津山は、美形の役をあまり演じない自分がハンサムな光夫役を引き受けることに驚きつつ、「新たなアプローチができるチャンスを得られることは嬉しいです」と思いを寄せる。高塚は、「ホラーが苦手な自分がこの作品に関わるとは思ってもいませんでしたが、今回の朗読劇は怖いだけではない魅力があると感じ始めています」と告白。このように、それぞれの役を通じて見える新たな側面を引き出す意気込みが感じられた。
朗読劇への期待と意気込み
村上は曰く、「作品のその深みが年齢によって感じ方が変わる。観る人も、それぞれの視点から新たな解釈を得ることができると思う」と力強く語る。彼の言葉に同調しながら、高塚は「ホラーが苦手だからと避けていた方にも、この朗読劇を通じて新たな楽しみが見出せるはず」と期待を寄せた。
興味深いのは、音だけで演じる朗読劇ならではの表現力だ。野津山は、「目の前に映像がない分、観客には想像させるという挑戦ができるのが魅力です」と教えてくれた。音響や効果音の使い方も直感的に観客を惹きつける要素になり、作品の雰囲気づくりに寄与している。
公演情報
朗読劇『富江』は、2026年1月12日から18日に東京・ヒューリックホールで全10公演が予定されている。この作品を通じて、観客には新たな恐怖と魅力が詰まった体験が待っている。原作のファンも新たな挑戦を見たい方も、ぜひこの機会に劇場へ足を運んでみてほしい。さまざまなキャストによる演技と、伊藤潤二の独特の世界観がどのように表現されるのか、一緒に体験しよう。
本公演のチケットは現在販売中。詳細は公式ウェブサイトで確認できる。
取材・文/藤野さくら
撮影/成田颯一