映画『九月と七月の姉妹』が描く姉妹のいびつな絆
姉妹の複雑で微妙な関係性をテーマにした映画『九月と七月の姉妹』が、今秋に全国で公開されることが決定しました。2025年9月5日(金)には渋谷ホワイトシネクイントをはじめ、ヒューマントラストシネマ有楽町や新宿シネマカリテ等で観客を迎えます。本作は、2024年第77回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に公式出品された注目作であり、映画ファンからも期待が寄せられています。
映画は、イギリスの新鋭作家デイジー・ジョンソンの小説「九月と七月の姉妹」を基に、アリアン・ラベドが監督を務めています。ラベドは映画界の巨匠ヨルゴス・ランティモスのパートナーとしても知られ、彼と共に独自の映画スタイルを形成してきた才能です。
物語は、生まれてからわずか10か月違いの姉・セプテンバーと妹・ジュライの視点で展開します。二人は支配と服従の関係にありながらも、お互いに強い絆で結ばれています。しかし、ある学校での事件を契機に、彼女たちの生活は大きく変わってしまいます。シングルマザーの母親シーラと共に幽閉されるような新たな生活が始まり、セプテンバーとの関係に疑念が生じてきます。
映画の中で、セプテンバーがジュライに命令を下し、ジュライはそれに従わなければならないという、まるで危険なゲームが繰り広げられます。これが一体何を意味するのか、ジュライは次第にその恐ろしさに気づき始めるのです。
ティザーポスターは、画家榎本マリコが手掛けており、二人の姉妹が異なる表情で一つのフレームに収まる姿が描かれています。どこか可愛らしいながらも、その裏には暗い気配と不穏な内容が潜んでいます。榎本はこの作品を通じて、姉妹の物語が同じ景色の中で確かに存在したことを証明しようとしたと語っています。
また、公開されたシーン写真では、セプテンバーが無邪気な表情ながらも、ジュライを狙うかのような目線で見つめています。これにより、二人の姉妹の間にある不健全な支配関係を強く印象付けています。
『九月と七月の姉妹』は、ただの姉妹の物語ではなく、家族における愛や欲望、権力、思春期といった多くのテーマを同時に描いています。観客はこの2人の少女の生活を通じて、複雑な人間関係や思春期にかかる葛藤を見せつけられるでしょう。
作品公式サイトやSNSも併せてチェックして、公開日を楽しみに待ちましょう!この奇妙なフェアリーテイルは、観る者に衝撃と深い共鳴をもたらすことでしょう。今冬、劇場でお目にかかれることを期待しています。