書店業界の現状
2025-06-03 10:49:41

書店業界、倒産が過去最少ペースと判明 新たなビジネスモデルの模索

書店業界、倒産が過去最少ペースと判明



近年、書店業界が持ち直しを見せており、倒産件数が史上最少のペースを記録しています。特に2025年の1月から5月にかけては、負債が1000万円以上の書店倒産が1件にとどまり、前年同期の11件から大幅に減少しました。このままのペースで推移すれば、2025年通年の倒産数も過去最少となる見込みです。

書店業界は、若い世代を中心に「活字離れ」が進み、インターネット書店や電子書籍の台頭によって厳しい環境にあるとされています。2024年度の業績をみると、報告があった書店の34.4%が赤字で、業績悪化企業は58.3%に達しています。このような背景の中で、書店は新たなビジネスモデルを模索しています。

従来型の書籍販売だけに依存するのではなく、書店を「滞在型」の空間へと変化させる取り組みが広がっています。具体的には、文具や雑貨の扱いが強化され、カフェ併設や学習塾との提携などが進められています。これにより、書店は単純な販売店から、交流や学びの場としての役割も果たすようになっています。

たとえば、ボールペンやノート、雑貨などの販売を強化し、雑貨コーナーを展開する書店が増えています。また、カフェとの共同運営や、大手雑貨店とのコラボレーションによる共同出店も増加しています。このような新しい試みは、顧客が長時間滞在できる環境を提供し、書籍の購入のみならず、より多くの収益源を持つ企業へと進化させています。

さらに、書店は専門知識を活かして、学習塾との共同サービスを展開するなど、顧客向けの販売戦略を深化させています。これにより、従来の書籍販売に新たな価値を加える企業努力が実を結び、2024年度の業績では約40%が増益を達成しています。この数値は、過去10年間で見ると2番目に高い水準となっています。

さらに、経済産業省が書店支援に向けたプロジェクトチームを設立したり、政府の骨太方針に出版業界支援を盛り込むなど、書店存続への注目が高まっています。今後の課題は、どうやって縮小する書籍販売市場においてニーズを吸収し、再び書店に来店する顧客を増やすかという点です。各書店は、地域に根ざしながら新しい挑戦を続ける必要があります。これからの書店業界の動向に、大いに期待が寄せられています。


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