バーチャルヒューマンの新時代が到来
TOPPANホールディングス株式会社とDigital Domain Holdingsの子会社Digital Domain Contentが、バーチャルヒューマンの領域において新たな協業を発表しました。高解像実測データを示すこの提携は、実在人物をモデルとしたリアルなバーチャルヒューマンの制作を目指しており、2025年3月から本格的に始動します。
高精度データを活用したバーチャルヒューマン
本協業では、TOPPANが運営する「VIRTUAL HUMAN LAB.®」に備わる「ライトステージ」を使用して取得された高精度な実測データをベースに、Digital Domainの先進的なクラウドソリューション「Momentum Cloud™」にバーチャルヒューマンを適用します。これにより、実在の人物を基にしたバーチャルヒューマンを使用した革新的なクラウドソリューションが実現されることになります。
進化するバーチャルヒューマン技術
最近では、3DCGやAI技術の進化に伴い、バーチャルヒューマンの技術がさまざまな業界で期待されています。エンターテイメントやマーケティングを超え、小売や教育、さらには介護分野においてもその活用が進んでいます。特にフォトリアルな表現を利用した企業広告や動画コンテンツが注目を浴びており、受付や施設案内などの日常業務でも実績が見られます。
TOPPANは2020年から、この「ライトステージ」で取得したデータを利用した高品質のバーチャルヒューマンの開発に取り組んできました。一方、Digital Domainは30年以上にわたるVFXやビジュアライゼーションの経験を生かし、クラウド技術によるバーチャルヒューマン制作に重点を置いてきました。
協業による新しいフローの実現
この協業においては、バーチャルヒューマンの制作フローが一新されます。具体的には、ライトステージで計測した高解像度な顔データとAIを用いた効率的な手法を確立し、従来の制作コストと時間を大幅に削減。それによって、金融サービスやエンターテインメントなど多岐にわたる企業において、実在の人物をイメージしたフォトリアルなバーチャルヒューマンを簡単に利用できるようになります。
加えて、協業を通じて、バーチャルヒューマンのキャスティング事業を国際的に展開します。これにより、企業向けのサービスも頑強に拡大し、世界市場へのアクセスが容易になるでしょう。
両社の役割分担
TOPPANホールディングスは、ライトステージによる顔計測やデータに基づいたバーチャルヒューマンの品質向上と、ビジネスモデルの開発を進めます。また、オリジナルのバーチャルヒューマンキャラクターも提供予定です。一方で、Digital Domainは、計測データを使用して実際のバーチャルヒューマンを制作し、「Momentum Cloud™」へインポートする作業を担います。
今後のビジョン
両社は今回の提携を通じて、バーチャルヒューマンソリューションの新たな事業開発を進める方針です。2025年度中には、市場に実用的なバーチャルヒューマンソリューションが提供できる目標を掲げています。振り返れば、ここ数年で生まれたテクノロジーの進化が、今やリアルとバーチャルの境界を曖昧にしています。エンターテインメントの未来を変えるこの革新に、多くの期待が寄せられています。